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フランスKnowMade*1は、特許と科学的情報の分析に特化した調査/コンサルティング会社である。各国の特許出願内容や取得特許から巨視的な特許傾向であるパテントランドスケープ(特許景観)を導き、競争環境と技術開発内容を理解することを得意とする。本コラムでは、同社が手掛ける調査から旬な技術の話題をお届けする。今回のテーマは、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)が強力に支援する全固体電池ベンチャーの米QuantumScape(クオンタムスケープ)の特許である*2。(日経クロステック)

*1 KnowMadeのWebサイト: https://www.knowmade.com/ *2 本記事の原文: QuantumScape successfully goes public: its patent portfolio gives clues about its R&D developments

 米QuantumScape(クアンタムスケープ)は、スタンフォード大学からスピンオフし、2010年に設立された米国の会社である。新しい高度なエネルギー貯蔵ソリューションを開発しており、特に固体電池を開発している。

 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)とクアンタムスケープは2012年以降、協力関係にある。2018年にVWはクアンタムスケープに1億ドルを投資し、パートナーシップを強化し始めた。その際に2020年6月にはさらに2億ドル以上を投資するだろうとも公表していた。クアンタムスケープは2024年後期に向けての量産開始予定を立て、2020年11月には株式公開に成功した。

 2020年12月時点で、クアンタムスケープは67の特許ファミリー(複数の国で出願された単一の発明)を所有し、80以上の認可された特許と100以上の出願中の出願特許を構成し、主に米国で出願している(図1)。一方、ヨーロッパにおいても、多くの特許および特許出願を有しており、パートナーであるVWが事業を展開する地域において知的財産権の優位性あるポジションを確保している。「アジアでは数件の執行可能な特許しか保有していない。しかし、この地域に対して非常に多くの特許を出願中だ。バッテリー市場において重要なこの地域で特許を強化しようという同社の意思の表れといえる」とKnowMade バッテリー兼材料分野担当の技術および特許アナリストのFleur Thissandier(フルー・シスアンディエ)博士は述べる。クアンタムスケープはインドでも特許を出願している。インドはバッテリー関連のパテントランドスケープ分析調査対象としては新しい地域であり、最近の5年間で特許出願が著しく増えている。

図1 クアンタムスケープの特許ポートフォリオ
図1 クアンタムスケープの特許ポートフォリオ
(図:KnowMade)
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