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 2016年と2021年の2回にわたって、PwCコンサルティングと日経BPの協力により実施した「新規事業についての実態調査」では、新規事業の成功と失敗を分けるさまざまな要因についての知見が得られました。連載第2回の今回は、成功要因の1つである「技術力の強さ」について考察を加えるとともに、技術力によって新規事業開発の取り組みを成功に導くにはどうすればよいか、ひもといていきたいと思います。

成功要因としての「技術力」

 「新規事業において重要な資源は何か」という問いに対して、全体の71%(全16項目中1位)が「技術力」と回答しました(図1)。多くの企業が、技術力こそもっとも重要と考えていると分かります。

図1 回答者が重要と考える新規事業開発の資源ベスト5
図1 回答者が重要と考える新規事業開発の資源ベスト5
全16項目中の上位5件。(出所:PwCコンサルティング)
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 別の設問で、新規事業の成功要因は何だったかを聞いたところ、新規事業がうまくいっているとした回答者*1の40%が「技術力の高さ」を選択しました(図2*2。一方、新規事業に失敗した要因を聞いたところ、うまくいかなかったとした回答者*3のうち「技術力の低さ」の選択は24%に留まり、あまり意識していない結果となりました。

図2 「うまくいっている」と回答した企業が成功要因と考えるベスト5
図2 「うまくいっている」と回答した企業が成功要因と考えるベスト5
全23項目中の上位5件(出所:PwCコンサルティング)
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*1 「あなたの勤務先企業・機関の新規事業開発に関して、どのように思いますか」の設問に対して「だいたいうまくいく」か「うまくいくものが多い」か「うまくいく場合が半分くらい」を選択した回答者。
*2 図2の最上位「顧客ニーズとの高い適合性」については本連載第3回以降に解説する予定。
*3 「あなたの勤務先企業・機関の新規事業開発に関して、どのように思いますか」の設問に対して「うまくいくものは少ない」「うまくいくものはほとんどない」を選択した回答者。

 多くの企業が当たり前のように技術力が重要な資源と考えているにもかかわらず、成功要因として「技術力の高さ」を意識しているのはうまくいっている企業である、という事実は何を意味するのでしょうか。この問いに答えるために、改めて技術力を正しく理解することから始めたいと思います。