全3526文字
PR

 PwCコンサルティングと日経BPの協力により実施した新規事業についての実態調査の結果から、本連載ではこれまで「新規事業開発における自社技術」と「顧客ニーズ」に注目して解説しました。今回は「競合相手」を観点に、調査結果を見てみます。

 図1は、新規事業がうまくいっている企業が、うまくいった要因として挙げた20項目のうち、上位10項目です。「競合相手が少ない」との回答は2016年、21年ともに5番手、およそ30%程度となっています。

図1 うまくいった要因は何か
図1 うまくいった要因は何か
「あなたの勤務先企業・機関の新規事業開発に関して、どのように思いますか」という設問に対して「だいたいうまくいく」「うまくいくものが多い」「うまくいく場合が半分くらい」とした回答者(2016年はn=70、2021年はn=101)に、その要因を聞いた集計。回答数が多かったもの(20項目中の上位10項目)を抜粋した。(出所:PwCコンサルティング)
[画像のクリックで拡大表示]

 次に図2は、新規事業がうまくいっていない企業が、うまくいかなかった要因として挙げた20項目のうち、上位10項目です。「競合相手が多い」は、21年に2番目に多い回答となっています。また、2016年と比べると、2021年は回答が9ポイント(23%から32%に)多くなっています。

図2 うまくいかなかった要因は何か
図2 うまくいかなかった要因は何か
「あなたの勤務先企業・機関の新規事業開発に関して、どのように思いますか」という設問に対して「うまくいくものは少ない」「うまくいくものはほとんどない」とした回答者(2016年はn=180、2021年はn=241)に、その要因を聞いた集計。回答数が多かったもの(21項目中の上位10項目)を抜粋した。(出所:PwCコンサルティング)
[画像のクリックで拡大表示]

 新規事業開発は競合相手が少ないと成功しやすく、競合相手が多いと失敗しやすい、と回答者が認識していることを示す結果といえます。21年の調査では、競合相手の多さにより新規事業を失敗したと考える例が増えているようですが。昨今の技術進化の加速や新型コロナウイルス感染症の拡大などの急激な環境変化によって、これまで予期しなかった競合の参入などが起きているためではないかと推測します。