先の見えないこの時代においては、既存事業の深掘りに加えて新規事業の創出の取り組み、すなわち「両利きの経営」が欠かせません。しかし、日本の製造業で新規事業の取り組みがうまくいっている例は多くありません。高い技術力を持っているにも関わらず次の収益の柱となる事業を生み出せていない要因はどこにあるのでしょうか。

世界的にデジタル化によってビジネス環境が激動する中、さらに新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の影響でその変化が大きく加速しています。このタイミングをとらえて新規事業開発に関する実態調査を実施しました。その結果から見えてきた成功要因と、成功するための視野の広げ方を解説します。

* 持続的な企業経営において、バランスよく既存事業の深掘りと新規事業の探索・創造の両方に取り組む重要さをいう概念。 チャールズ・オライリー、マイケル・タッシュマンが著書のタイトルに付けた。
渡辺 智宏(わたなべ・ともひろ)
PwCコンサルティング合同会社 ディレクター
渡辺 智宏(わたなべ・ともひろ) 大手ITベンダーにて業務/組み込みシステム開発、プロジェクトマネジメント、ソフトウエア技術の研究・開発などに携わる。その後、国内外の大手コンサルティング会社を経て現職。製造業のR&D領域における業務・組織改革、事業・技術戦略立案、新規事業開発、モジュール化、品質改善、プライシング、原価企画、PLMシステム導入などのコンサルティング、セミナーに数多く携わる。主な専門業界は通信・ハイテク、自動車および輸送機器、産業機械、ロボット・FAなど。技術に加えて、マネジメントやビジネスの知見を併せ持つR&D部門への変革を支援する。主な著書に、『「ビッグデータ」という言葉に踊らされないための品質の基本』『技術を強みとした新規事業開発の教科書』『製造業R&Dマネジメントの鉄則』など。その他、新聞や雑誌、Webなどへの執筆・連載も多数。
有吉 直紀(ありよし・なおき)
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー
有吉 直紀(ありよし・なおき) 大手建設機械メーカーにて建機用ディーゼルエンジンの開発に従事。機械構造設計、品質・信頼性評価、市場不具合対応などに携わる。その後、国内コンサルティング会社を経て現職。重厚長大系メーカーを中心に、新規事業開発、設計プロセスの可視化・標準化、開発日程の最適化などのR&D業務改革プロジェクト、システム改革に携わる。
水田 大哉(みずた・ひろや)
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー
水田 大哉(みずた・ひろや) 大手自動車メーカーで10年以上設計業務に従事。乗用車、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッドなどの先行~量産開発まで幅広くプロジェクトに携わり、サプライヤ、製造、調達、物流、サービスとの共同設計を多数経験。現職にて、開発領域に対するプロセス改革、PLM導入、生産・購買領域連携業務、CAD・CAE活用を中心としたデジタル改革、グローバルBOM構築など、主にR&D部門への変革支援に携わる。
佐竹 正光(さたけ・まさみつ)
PwCコンサルティング合同会社 シニアアソシエイト
佐竹 正光(さたけ・まさみつ) 大手自動車メーカーにて研究所に所属し、電動車の技術研究、新コンセプトFCV開発、EV充電システム・インフラに関する研究戦略・シナリオ提案、など研究プロセス全般に携わる。その後は現職にて、自動車OEMのサイバーセキュリティ対応企画支援、航空機エンジンメーカーの生産管理業務改革、地方自治体への中国自動車業界動向調査と日系中小サプライヤのオポチュニティ提案、などに加え、業界横断での新規事業創造のための経営企画・人事マネジメントのコミュニティ形成支援、に携わる。
篠田 泰平(しのだ・たいへい)
PwCコンサルティング合同会社 アソシエイト
篠田 泰平(しのだ・たいへい) 日系メーカーにおいて、研究開発品の試作設計・製造・評価など総合的支援に従事。メカトロニクスエンジニアとして自動車、ロボ、家電などR&D領域におけるワーキングプロトタイプ開発に携わり、機構設計領域の業務推進や、領域横断の開発プロジェクトを多数経験。現職では、製造業界を専門にした販売領域のサプライチェーン構築やマスタデータ管理、業務改善などERP導入のコンサルティングに加え、官公庁に向けたシステム構築要件への提言やプロジェクト管理などに携わる。