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 アップルが自社開発したプロセッサー「Apple M1」搭載Macは、これまでの米インテル製CPU搭載Macとどこが違うのだろうか。その特徴を見ていこう。

Appleシリコンへの移行技術

 Macは過去にも、「PowerPC」と呼ばれるプロセッサーからインテルチップへと、異なるアーキテクチャーに乗り換えた経験がある。今回もその際の技術が活用されている。先に紹介したRosettaもその一つ。また、1つのファイルの中にAppleシリコンとインテルチップのそれぞれに対応したネイティブコードをまとめて提供する「Universal(ユニバーサル)」アプリによって、ユーザーはアーキテクチャーの違いを意識することなく環境に最適なアプリを利用できる。

 自分が使っているアプリがAppleシリコンに対応しているかどうか気になる場合は、アプリの「情報」画面を表示すると確認できる(図7)。アップル製端末向けアプリ開発環境の「Xcode」には1つのソースコードからAppleシリコン、インテルチップそれぞれの専用、または両方に対応するユニバーサルアプリを簡単に生成する仕組みが搭載され、アプリの移行を進める開発者にも配慮されている(図8)。アップルは、数時間から数週間でアプリのAppleシリコン化を完了できるとアナウンスしている。

Appleシリコン対応アプリの見分け方
Appleシリコン対応アプリの見分け方
図7 アプリの「情報」画面で図の部分が「Universal」「Appleシリコン」の場合はM1チップでネイティブ動作する。「Intel」の場合はRosettaで動作する
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1つのソースから両方のアプリを作成
1つのソースから両方のアプリを作成
図8 Mac用の開発環境「Xcode」でソースコードをビルドする際にターゲットを切り替えて、Appleシリコン、インテル、両対応のUniversalアプリを作成する仕組みが提供されている
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