コロナ禍で利用する機会が爆発的に増えたビデオ会議だが、利用するツール選びは悩ましいところ。何となく使ったことがあるツールを使い続けたり、他の人にビデオ会議を開催してもらったりしている人もいるかもしれない。
とは言え、今後も仕事はもちろん、プライベートでも自分がビデオ会議を開催することも増えてくるだろう。そのときのために、あらかじめツールを準備しておきたいところ。
今回は、個人でも無料で利用できるビデオ会議システムの機能を比較しながら、どのツールを選べばいいのかチェックしてみよう。
安定の定番サービス4つの機能を比較してみる
ビデオ会議システムの定番サービスといえば、まずは2020年に大躍進を果たした「Zoom」が有名だ。米Zoom Video communicationsはスタートアップというわけではなく、2011年に創業し2019年には上場もしている。
会社に導入されていることの多い米Microsoftのコラボレーションツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)のビデオ会議機能もユーザー数が多い。
米Googleは2013年から「Googleハングアウト」という総合メッセージングサービスを提供していたが、2020年4月にビデオ会議機能を「Google Meet」(以下、Meet)として分離した。こちらもGoogleアカウントを持っていれば利用できるのでユーザーが多い。
米Cisco Systemsの「Cisco Webex」(以下、Webex)はグローバルのビジネスシーンではトップシェアを持っており、日本でも多くの企業が利用している。お高いビジネスツールというイメージもあるが、無料プランも用意されているので個人やSOHOでも気軽に利用できる。
まずは、定番4サービスの無料プランでできること、できないことを表にしてみたのでチェックしてみよう。
サービス名 | Zoom | Teams | Meet | Webex |
---|---|---|---|---|
ビデオ会議 | ○ | ○ | ○ | ○ |
音声通話 | ○ | ○ | ○ | ○ |
チャット | ○ | ○ | ○ | ○ |
画面共有 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ホワイトボード | ○ | ○ | ○ | ○ |
バーチャル背景※1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
背景ぼかし※1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
録画(ローカル) | ○ | × | × | ○ |
録画(クラウド) | × | × | × | × |
クラウドストレージ | ー | ー | ー | ー |
ファイル共有 | ○ | ○ | × | × |
ログインなしの参加 | ○ | ○ | ○ | ○ |
接続可能時間(1対1) | 24時間 | 1時間 (コロナ禍は24時間) | 24時間 | 50分 |
接続可能時間(複数) | 40分 | 1時間 (コロナ禍は24時間) | 1時間 (6月28日まで24時間) | 50分 |
接続可能人数 | 100人 | 100人 | 100人 | 100人 |
Webブラウザー | ○ | ○ | ○ | ○ |
PCアプリ | ○ | ○ | × | ○ |
スマホアプリ | ○ | ○ | ○ | ○ |
カレンダー連携 | ○ | ○ | ○ | ○ |
挙手 | ○ | ○ | × | ○ |
投票/アンケート | ○ | ○ (Formsを利用) | × | ○ |
ブレークアウトルーム | ○ | ○ | × | ○ |
どのサービスも、パソコン(PC)やスマートフォンのカメラとマイクを利用し、お互いの顔を見ながら話ができる「ビデオ会議」はもちろん、電話のように利用できる「音声通話」や「テキストチャット」機能も利用できる。
基本のビデオ会議機能の音質や画質、安定性などは、この4サービスであればトップクラスで問題なし。どのサービスを選んでも不満は感じないだろう。
PCの画面を他の人に見せながら話す「画面共有」も会議資料を共有する際に必要になる。その際、デスクトップ全体だけでなく、ウインドーを指定して共有する機能があると便利。Excelの表を見せたいだけなのに、散らかったデスクトップや後ろに起動しているWebブラウザーのお気に入りなどを見せてしまう必要はないからだ。
さらに「ホワイトボード」機能があれば、例えばWebサイトのデザインを手書きしながら話を進めたり、ベン図やマインドマップを描きながら課題を解決したりできる。定番4サービスには、「画面共有」と「ホワイトボード」が両方搭載されている。
ちなみに、4サービスすべて、ビデオ会議を開催するにはアカウントが必要で、招待された側はPCのWebブラウザーであればアカウントなしでも参加できる。