個人のスキルや資格などをバッジの形で提示すると同時に、具体的な内容をデータとして記録できるデジタル証明。技術標準に従って発行され、偽造や改ざんが困難とされる。各種資格試験や検定、大学、企業で導入が進む。
学習者が習得した内容を客観的に証明する手段として、学校なら卒業証書や成績証明書、資格なら合格証や免許状などがある。これらはいずれも紙媒体なので、証明手段として提示する際に使い勝手が悪い。複製はしにくいものの、それが本物だという絶対的な証拠にはならない。紙をデジタルに置き換えればメールなどで送れて使い勝手は良い半面、単なるテキストや画像データでは簡単にコピーできてしまい、客観的な証明にならない。
そこで考えられたのがオープン(デジタル)バッジだ。バッジという外形を持ちながら、習得したスキルや資格といった情報が埋め込まれている。オープンバッジ・ネットワークが発行するブロックチェーン対応型のバッジであれば、内容の改ざんは困難だといわれる。
各種の資格試験や検定、企業内のeラーニング、大学などの教育機関において、オープンバッジの利用が急速に広まっている。オープンバッジ・ネットワークの会員は、2022年11月1日現在で155団体を数える。
これまで大学では、履修科目の単位で学修内容を示すのが一般的だった。だが、それ以外の特設講座やコース、海外留学プログラムなど、学修の仕方が多様になるに伴い、そこで修得した内容を客観的に証明できる手段のニーズが高まった。マイクロクレデンシャルとも呼ばれるこうした小さな単位での学修成果を証明する手段として、オープンバッジは適している。取得したオープンバッジはSNS上などで公開でき、海外では転職時のスキル証明にも利用されている。