ライブ配信で商品の説明を受けられるEC(電子商取引)サービス。配信中にチャット機能などを使って気になる点を確認しながら商品を購入できる。中国で人気が高まり、世界に広がりつつある。
「ライブコマース」は動画を活用した新しい商品販売の手法だ。ネットでライブ配信される商品紹介の映像を見て、その商品が気に入ったらそのままEC(電子商取引)で購入できる。テレビの通販番組に似ているが、ネットを利用することで、双方向性を持つのが特徴だ。
視聴者はただ視聴するだけでなく、チャット機能などを使って配信者に商品の機能や使い勝手などについて質問できる。例えば衣服の縫製部分を拡大して見せてもらう、配信者に商品の化粧品を部分的に塗ってもらい使用前後の違いを比べる、食品の食感や匂いについて感想を聞くなど、カタログやスペックだけでは伝わりにくいポイントも具体的に分かる。
ライブコマースは、ネットサービスならではの「バズる」仕組みも取り込んでいる。視聴者が商品やライブ番組を紹介すると割引クーポンを受け取れる、著名なインフルエンサーをナビゲーターとして起用しフォロワーに商品をアピールする、メーカーの担当者が特徴や開発秘話を語ることで商品にストーリー性を持たせるなど、さまざまな工夫が見られる。
ライブコマースは中国で大きな成長を遂げたことをきっかけに、世界中から注目された。米イーマーケターの調査によると、先行する中国でのライブコマースによる商品売上は、2021年の2996.6億米ドル(約34兆5000億円、予測値)から2022年には前年比60%増となる4794.6億米ドル(約55兆2000億円、予測値)にまで急成長する見込みだ。