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 企業の給与支払いにデジタルマネーを利用できるようにする制度で、政府が早期実現を目指している。現金をデジタルマネーに変換する手間がなくなり、給与受け取りから買い物までの流れをデジタルで統一しやすくなる。

 政府によるキャッシュレス化促進の方針を受けて、コード決済などのデジタルマネーで賃金を支払う「給与デジタル払い」の解禁に向けた議論が厚生労働省で本格化している。米国では「ペイロール」と呼ばれ、普及が進んでいる。

 給与デジタル払いでは、給与の全額または一部を、デジタルマネー用の口座で受け取る。給与は現金として引き出さずに、デジタルマネーとして日常の決済にそのまま利用できる。企業にとっても賃金支払い時のコスト低減や、外国人などで銀行口座を持たない労働者に対する賃金支払いが容易になるといったメリットがある。また、少額・高頻度の決済や国をまたいだ送金が容易といったデジタルマネーの特性を生かせば、時給や日給制の業務で勤務終了後すぐにその日の賃金を支払ったり、企業と労働者が国境を超えてつながることも容易で、長期的に労働者の働き方にも影響を与えそうだ。

 厚生労働省の審議会では、主に労働者保護の観点から議論が進められている。デジタルマネーのサービスは「資金移動事業者」が提供しているものが多い。賃金は労働者の生活を支える基盤となるため、給与デジタル払いに対応する事業者は厚生労働大臣が指定する見込みだ。

コード決済や電子マネーなどを給与の支払い方法として追加する案が厚生労働省の審議会で議論されている
コード決済や電子マネーなどを給与の支払い方法として追加する案が厚生労働省の審議会で議論されている
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