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 業種や職種が変わっても、「強みとして発揮できる持ち運び可能な能力」のこと。ホワイトカラー職種の能力を見える化することで、自己理解の促進やキャリア形成への気付きの提供などの効果を想定している。

 経験豊富なホワイトカラー職種のミドルシニア層が持つ能力やスキルを、可視化する基準として作られたのが「ポータブルスキル」だ。業界をまたぐ転職など、スムーズな労働移行の社会的ニーズの高まりを受け、一般社団法人「人材サービス産業協議会(JHR)」が開発した。

 専門性やマネジメント力を重視した転職市場はすでに存在していることから、ポータブルスキルでは専門性以外の職務遂行能力の可視化に重点を置いている。具体的には「仕事のし方」について、①現状の把握②課題の設定③計画の立案④課題の遂行⑤状況への対応の5項目と、「人との関わり方」について、⑥社内対応⑦社外対応⑧上司対応⑨部下マネジメントの4項目、合計9項目のポータブルスキルを定義している。

 厚生労働省は2022年3月、個人向けの自己診断支援ツールとして、「ポータブルスキル見える化ツール」を公開した。アンケート形式のWebサイトで、パソコンだけでなく、スマートフォンでも利用できる。15分程度の入力で診断され、入力者の持ち味を生かせる職務や職位を確認できる。また、それぞれの職務・職位で求められる目安と比較することで、自己理解の促進やキャリア形成への気付きを促進する。

厚生労働省が職業情報提供サイト内で公開する「ポータブルスキル見える化ツール」
厚生労働省が職業情報提供サイト内で公開する「ポータブルスキル見える化ツール」
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 同ツールでは診断結果のスキル分布に近い職業も検索できる。検索結果からは自分のスキル分布に近い業務の具体的な内容や、必要な資格・経歴・スキル、産業別景況動向などがワンストップで確認できる。キャリアコンサルティング用途でも活用が期待される。