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 国内における振込取引や、銀行間で資金をやり取りする「決済システム」。2023年にも資金移動業者の接続を認める予定。実現すれば、QRコード決済サービスと銀行口座の間で送金しやすくなる。

 全国銀行データ通信システム(全銀システム)は、国内の振込取引や、銀行間の資金のやり取りをする「決済システム」。全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する。1973年に運用を開始し、現在では銀行や信用金庫、農業協同組合など、国内のほぼ全ての預金取扱金融機関が参加する。日本の経済取引の基盤としての役割を担う。

 最近は、QRコードなどを使ったキャッシュレス決済の利用者が急増している。こうしたキャッシュレス決済の多くは、金融機関ではなく、PayPayなどの資金移動業者が提供しており、各金融機関との送金ニーズが高まっている。

 これまでは、全銀システムへの接続は金融機関に限られていた。そのため、金融機関と資金移動業者間の送金を実現するには、各業者が個別に金融機関と交渉してシステムを構築する必要があった。QRコード決済の残高を他人の銀行口座に直接送金したり、別の決済サービスに送金したりといった柔軟なサービスを実現するのが難しかった。

 しかし、資金移動業者の全銀システムへの直接接続が実現すれば、銀行と資金移動サービス間で送金しやすくなる。また、資金移動業者間を超えた送金に対応する新しいサービスが増え、利便性が高まりそうだ。

全銀システムでは、1億円未満の資金移動を銀行間ではなく、銀行と全銀ネットとの貸借に置き換えて処理し運用しやすくしている。数字は振込取引に伴う銀行間の貸借を表す(出所:全国銀行資金決済ネットワークのパンフレット)
全銀システムでは、1億円未満の資金移動を銀行間ではなく、銀行と全銀ネットとの貸借に置き換えて処理し運用しやすくしている。数字は振込取引に伴う銀行間の貸借を表す(出所:全国銀行資金決済ネットワークのパンフレット)
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