全598文字
PR

 次世代通信規格5G向けの基地局を、複数の通信事業者が共同で利用する仕組み。基地局整備における事業者のコスト負担の増加や、都心部での基地局用地不足といった課題への対応策としてニーズが高まっている。

 次世代通信規格5Gでは、高速通信に対応する電波の特性上、1基地局当たりのカバーエリアが4Gと比べて狭くなる。そのため高速で安定した通信を実現するには、4Gよりも多くの基地局整備が必要だ。しかし、サービスを展開する上で、都心部での用地不足や通信事業者の設備投資負担の増大が課題となっている。

 こうした課題の解決策として期待されているのが、複数の通信事業者が同じ基地局を共用する「基地局シェアリング」だ。「インフラシェアリング」とも呼ばれる。総務省は5Gの早期普及に向け、かねて基地局シェアリングの制度整備を進めている。2018年には、基地局シェアリング事業の登録や無線局の免許など法令上の手続きなどについて、ガイドラインを発表している。これを受けて、携帯電話事業者同士が相互に基地局を共用するだけでなく、鉄道や電力、ビル管理などアンテナ設置場所を持つ事業者による取り組みも始まっている。

 総務省では今後、過疎地など条件が不利な地域での基地局シェアリングの活用、国有庁舎・宿舎などを基地局の設置場所として提供するための窓口の設置、交通信号機を使った基地局シェアリングの大規模実証実験なども予定している。

住友商事が、渋谷マークシティ内で実施した基地局シェアリングの実証実験の様子。周波数の異なる電波を発射したり、近隣基地局との干渉を計測したりした
住友商事が、渋谷マークシティ内で実施した基地局シェアリングの実証実験の様子。周波数の異なる電波を発射したり、近隣基地局との干渉を計測したりした
[画像のクリックで拡大表示]