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 テレビで放映中の番組を、同時刻にインターネットでも配信すること。タブレットなどテレビチューナーを持たない端末でも番組を視聴できる。NHKが既に実施中で、2021年10月以降、在京キー局も開始する。

 放映と時間差なく、同じテレビ番組をインターネット経由で見られるサービス。NHKでは2020年4月から提供しているが、日本テレビ放送網が2021年10月にサービスを開始した。TBSテレビやテレビ朝日、フジテレビジョンも2021年度内の同時配信開始に向け調整中だ。

 テレビチューナーを持たないパソコンやスマートフォンなどでもテレビと同じ番組を視聴できる。また、テレビ放送の電波が届きにくい場所でも、ネット経由で番組を見られるほか、居住地域では見られない放送局の番組も視聴できる。

 既にスポーツの実況中継をネット配信する専門サービスなどもあり、映像のネット配信自体は、技術的に難しい部分は少ない。それでも、これまでテレビ放送の番組がネットで同時配信されてこなかったのには、新たな著作権処理の必要性とビジネスモデルの不在がある。

 著作権法上、放送とネット配信では異なる処理が必要となる。新しく制作する番組ではネット配信も含めて処理をしやすい。一方で、過去に放送目的のためだけに制作した番組については、出演者などに許諾が必要になる。そのため、番組によっては同時配信できない場面が含まれる可能性もある。

 民放にとっては、ビジネスモデルが確立できていないことも同時配信に慎重な理由の一つだ。民放は、番組の視聴率を広告料収入の拠り所としている。ネット配信による番組視聴は視聴率に反映されず、多くの視聴者がネット配信で番組を視聴すると視聴率を下げてしまう。

 各民放が開始する同時配信サービスの多くは、19時から23時台など一部時間帯の新規制作番組に限定して実施する。テレビ離れが進む若者の取り込みを図りつつ、新しいビジネスモデルを模索することになりそうだ。

日本テレビ放送網では、2021年10月2日から、19時~23時台の一部番組を無料で同時配信中
日本テレビ放送網では、2021年10月2日から、19時~23時台の一部番組を無料で同時配信中
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