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 有機ELや液晶のディスプレイを駆動する技術の一つ。省電力で画面の書き換えができ、1秒程度まで画面を書き換えせずに表示内容を保持できる。スマートウオッチで画面を常時表示する用途などに使われる。

 LTPOは「Low Temperature Polycrystalline Oxide(低温多結晶酸化物)」の略で、有機ELや液晶のディスプレイを駆動する技術の一つだ。こうしたディスプレイでは定期的に画面表示を書き換える(リフレッシュする)ことで動きのある画面を表示している。LTPO搭載のディスプレイではこの画面のリフレッシュ動作を省電力で行えるほか、表示内容に変化がない場合は最長1秒程度まで同じ画面を書き換えずに表示したままにできる。

 まずLTPOが使われたのはスマートウオッチだ。スマートウオッチは消費電力を減らすために普段は画面を表示せず、ユーザーが画面を確認したいときだけ表示する製品が多い。モーションセンサーを活用するなどして、簡単な操作で画面を表示できるようになってはいても、思い通りに表示できないこともある。

 LTPO対応ディスプレイで常時表示できれば、従来の時計と同様の使い勝手でスマートウオッチを利用できる。米アップルは、2019年に発売したスマートウオッチ「Apple Watch Series 5」以降ディスプレイにLTPOを搭載した機種をラインアップしており、従来モデルと同等のバッテリー駆動時間を保ちながら、画面の常時表示を実現した。

 スマートフォンでも上位モデルを中心にディスプレイにLTPOを搭載した製品が増えている。画面の常時表示に活用しているスマートウオッチと異なり、スマホでは用途に合わせて画面の1秒間当たりのリフレッシュ回数(リフレッシュレート)を可変させる用途で使われる場合が多い。一般的なディスプレイのリフレッシュレートは60Hz(1秒間に60回の画面書き換え)だが、表示内容に合わせて10~120Hzの間で柔軟にリフレッシュレートを変更する。Webサイトの閲覧などでは低いリフレッシュレートで動作し、動画視聴などでは高いリフレッシュレートで動きを滑らかに表示する。

米アップルの「Apple Watch Series 5」以降では、ディスプレイにLTPOを搭載した機種をラインアップ
米アップルの「Apple Watch Series 5」以降では、ディスプレイにLTPOを搭載した機種をラインアップ
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