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 次にホテルのルームキーだ。長いチェックイン行列に並び、物理キーをゲットしてから部屋へと移動してようやくくつろげるというホテルのフローは毎回うっとうしい。事前にモバイルアプリなどでチェックイン作業を済ませておけば、後は物理キーを受け取るだけではあるものの、やはりホテルに入ってから一度フロントに顔を出さないといけない。もしチェックイン作業からルームキー受け取りも含めてデバイス上で完結してしまえば、こうしたストレスからは解放される。

 ベイリー氏によれば、2021年秋までに世界のハイアット系列ホテル1000軒以上でApple Pay(Wallet)上でのルームキーサービスが利用可能になり、チェックインでの部屋番号とルームキーの入手までがiPhone上で完結するようになるという。もちろんルームキーはApple Watchからでも利用可能なので、手ぶらでスマートフォンさえ持たずに外出も可能だ。時計さえはめていれば、うっかり鍵を持たずに外に出てロックアウトされる心配もない。

ホテルのルームキーもApple Pay(Wallet)の中に。チェックインまで含め、すべてデバイス上で完結する
ホテルのルームキーもApple Pay(Wallet)の中に。チェックインまで含め、すべてデバイス上で完結する
(出所:アップル)
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 これら3つの仕組みの提供にあたって、アップルは今回新しいパートナーを発表している。一気に広がるかは難しいところだが、徐々にデジタルワールドが拡大していく感触があって非常に楽しみだ。

3つの仕組みを実現するパートナー群
3つの仕組みを実現するパートナー群
(出所:アップル)
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公的身分証をデジタル化する

 デジタルウォレットの次なるステップは「公的身分証(ID)」のデジタル化だ。クレジットカードサイズの写真付きIDカードが国や自治体の公的機関から発行され、それを随時提示することで本人の身分を保証する証明書となる。これがデジタル化されてスマートフォンなどのデバイスに格納されることで、本当の意味でスマートフォン1台あればどこへでも行くことが可能なデジタルウォレットが実現する。

 紙やプラスチックのIDカードには様々な偽造防止技術が盛り込まれており、これが身分の偽称を防ぐ仕掛けとなっている。モバイルウォレットの世界におけるIDは、電子証明書の仕組みを用いて本人確認を行う。日本の例でいえば、マイナンバーカードにおける電子証明書は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が発行するが、認証機関を通じて証明書の有効性をデジタル的にチェックすることで偽造を防止する。