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 経済産業省と東京証券取引所が2021年6月に発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2021」。「日本の先進DX」といえる選定企業の事例を厳選して取り上げ、DX推進の勘所を探る。SGホールディングスにおけるDXの「内製力」強化に迫る。

 佐川急便を傘下に持つ物流大手のSGホールディングス。「レガシーシステムから脱却し、浮いた費用を攻めのIT投資に振り向ける」という取り組みは、まさに経済産業省が求めるデジタル変革のお手本といえる。

 同社のDXに向けた施策の始まりは2005年に遡る。約7年をかけてメインフレームをベースとしていたレガシーシステムを段階的に撤廃し、2012年にオープンシステムにダウンサイジングした。2005年以前は年間で数百億円を費やしていた情報システムの維持管理コストを約4割圧縮し、浮いた分を顧客向けサービスの拡充など攻めのIT投資に回してきた。

 「レガシーシステムの撤廃はコスト削減に加え、ベンダーロックインからの脱却と内製化を推進する狙いがあった」と、SGホールディングスの谷口友彦執行役員IT戦略担当は語る。以前はメインフレームを使っていたため、開発・運用保守の作業をITベンダーに依存する状態だったという。

SGホールディングスの谷口友彦執行役員IT戦略担当
SGホールディングスの谷口友彦執行役員IT戦略担当
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図 SGホールディングスのDX戦略の歩み
図 SGホールディングスのDX戦略の歩み
レガシーシステムから脱却し「攻めのDX戦略」に(出所:SGホールディングスの資料を基に日経コンピュータ作成)
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 「オープン化により、様々なことを自前でできるようになった。システム開発の内製化が進み、新サービスの開発は基本的に(グループ会社の)SGシステムを中心に(内製で)進めている」(谷口執行役員)。

 内製力を身に付けた同社は2018年に、新たな取り組みを始めた。SGシステムの中で評価の高いITエンジニア10人を集めて「高速開発チーム」を立ち上げたのだ。