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 経済産業省と東京証券取引所が2021年6月に発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2021」。「日本の先進DX」といえる選定企業の事例を厳選して取り上げ、DX推進の勘所を探る。ベネッセホールディングス(HD)は会員に独自開発の端末を配布し、学び方の変革を目指している。

 年間50万台。ベネッセコーポレーションが展開する通信教育「進研ゼミ」の小学講座と中学講座の新規会員向けに開発した学習用タブレット端末「チャレンジパッド」の提供台数だ。オンライン授業やドリル、添削テストといった学習に必要な機能を詰め込んだ。生徒個人のレベルに合わせた問題の出題や保護者のスマートフォンによる学習状況確認などができるようになり、会員の定着につながっている。

専用のタブレット端末で授業やテストが受けられる
専用のタブレット端末で授業やテストが受けられる
(出所:ベネッセホールディングス)
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 チャレンジパッドの特徴の1つが、2021年8月から中学講座に導入した人工知能(AI)による個人別学習だ。学習に取れる時間や目標レベル、教科書を設定しておけば、AIがドリルの問題を自動調整する。AIはアルゴリズム開発のPKSHA Technologyと共同開発した。AIは初めに出す問題によって生徒の実力やつまずいているポイントをチェックし、他の全生徒や過去のデータと合わせて分析。1人ひとりの実力に合わせた難易度のトレーニング問題を出すという。

 先行して導入した高校講座の検証では、AIトレーニングにより正解率が73.5%から91.6%に向上。正しく理解できていることで、学習1カ月後の正答率が1週間後からほとんど落ちないといった効果が見られたという。

 オンライン授業や「赤ペン先生」で知られる添削テストといった領域もチャレンジパッドによる進化を進めている。リアルタイムのオンライン授業では途中からついていけない生徒を生まないよう、チャット機能で生徒が気軽に質問できるようにした。