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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は、同社の電気自動車(EV)「ID.3」に新たなカメラ機能や照明、音声システムなどを搭載した。実車を確認したところ、クルマと人の双方向の意思疎通を円滑に進めるための機能やどこか遊び心を感じさせるような仕掛けを随所に施していることが分かった。

 走行を終えた運転者が、駐車のためシフトを後退の「R」に入れると、リアのエンブレム部が開いた(動画1)。

動画1 後退時のリアの様子
運転者がシフトスイッチを「R」に入れると、リアのエンブレム部からカメラが出現した。(撮影:日経Automotive)

 中からひょっこり出現したのは、車両後方を監視するカメラだ(図1)。一般的に後方監視用のカメラは、ナンバープレート付近に配置することが多い。ID.3は、エンブレム内部にカメラを忍ばせるユニークな手法を取り入れ、カメラが目立たないようにした。カメラの映像は、ダッシュボード中央のディスプレーに表示する(図2)。

図1 後退時のリアのエンブレム部
図1 後退時のリアのエンブレム部
後退時はエンブレム部が開き、搭載するカメラで後方を監視する。(撮影:日経Automotive)
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図2 後退時のダッシュボード中央のディスプレーの様子
図2 後退時のダッシュボード中央のディスプレーの様子
後方のカメラ映像を映し出す。(撮影:日経Automotive)
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 リアのエンブレム部は、リアゲートを開ける際のハンドルの役割も備える(図3)。エンブレム内部に忍ばせたカメラに指が触れてしまいそうだが、その心配は無用だ。リアエンブレムに手をかけてみたが、中にカメラが見当たらない。後退するとき以外は、一切カメラが露出しないように設計しているのだ。このため、汚れや傷などによりカメラの映像が劣化することを防げる。リアエンブレムの“隠しカメラ”は遊び心だけでなく、実用性も備えていたのである。

図3 後退時以外のリアのエンブレム部の役割
図3 後退時以外のリアのエンブレム部の役割
リアゲートを開ける際はハンドルの役割を担う。後退時以外はカメラが内部に隠れ、露出による汚れや傷を防ぐ。(撮影:日経Automotive)
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 VWは照明システムにも遊び心を加えた。キーを持ってID.3に近づくと、車両の前方が光り始め、ヘッドランプ内部の点灯部分が上下左右に動いた(動画2)。まるで生き物の“眼”が周囲の状況を見回すかのようだ。点灯した“眼”を動かすことで、キーを持っている人に自らの停車位置を伝える。エンジン車と違って音もなく起動するEVの存在を周囲にアピールし、注意を促す効果もありそうだ。

動画2 ヘッドランプの動き
点灯部分が上下左右に動く。(撮影:日経Automotive)

ヘッドランプの機能はそれだけではない。