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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の電気自動車(EV)「ID.3」は、同社のこれまでの量販車からHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を刷新した(図1)。実車で確認したところ、直感的に操作できるように操作系やディスプレー表示などを工夫したことが分かった。

図1 VW「ID.3」のインストルメントパネル
図1 VW「ID.3」のインストルメントパネル
中央に10インチのディスプレー、ステアリングホイール奥にメーターディスプレーを備える。(撮影:日経Automotive)
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 HMI刷新の背景にあるのは、クルマの消費形態の変化だ。所有から利用へと移りつつある中、“初見”の人でも使いやすいHMIが重要になってきた。VWはドイツのベルリンやハンブルクで、ID.3を含むEV専用のカーシェアサービスを展開する。カーシェアへの導入を見越し、同社はID.3にどのようなHMIを採用したのか。

サンルーフやシフトの操作方法が新鮮

 運転席に乗り込むと、全開になったサンルーフから照り付ける日差しを強く感じた。天井を見上げると、操作ボタンらしきものが目に入る。前から後ろになぞると、サンルーフが自動で閉じていった(動画)。サンルーフを開けたいときは、逆方向になぞる。操作部にタッチセンサーを搭載することで、指でなぞる方向とサンルーフの開閉方向が一致するようにしていた。

動画 サンルーフの操作部を指で前から後ろになぞると、サンルーフが閉じていった。(撮影:日経Automotive)

 それではクルマを走らせていこう。メーターディスプレー右横のつまみをひねると、シフト操作ができる(図2)。シフトを前進の「D」に入れるには、つまみを前方にひねる。後退するときはその逆で、つまみを手前にひねる。つまみ先端のボタンを押すと「P」に入る。シフトスイッチの配置や操作方法は目新しく、進行方向とつまみをひねる方向が一致しているため、違和感なく操作できた。

図2 シフト操作用のつまみ
図2 シフト操作用のつまみ
先端は「P」に入れるボタン。前方、手前にひねるとシフト操作できる。 (撮影:日経Automotive)
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 ID.3は他社のEVと同様に、回生を多用した運転モード「B」を備える。アクセルペダルを離すと回生ブレーキで減速し、ワンペダル感覚で運転できる。DとBはつまみを前方にひねると切り替わる。

 先進運転支援システム(ADAS)の立ち上げも容易だ。ステアリングホイール左側のボタンで操作する(図3)。設定速度を上限に加減速し、前走車との距離を維持する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」は、「MODE」ボタンを押すことで起動する。速度は「+(プラス)」、「-(マイナス)」で設定し、1度押すと1km/h、長押しすると10km/h設定速度を上げ下げできる。また、全車速で前走車との距離と走行車線を維持する「Travel Assist」機能は、-(マイナス)ボタン右の点灯ランプを押すだけで起動する。

図3 ステアリング中央左側のボタン
図3 ステアリング中央左側のボタン
ACCやTravel AssistといったADASの機能を設定する。 (撮影:日経Automotive)
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