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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の電気自動車(EV)「ID.3」を分解し、ヘッドランプの内部を調査した。その結果、LEDによる投光部を、2個の電動モーターで上下左右に動かすジンバルのような駆動機構を持っていることが分かった(図1)。インドの自動車部品大手Varroc(バロック)の製品とみられる。

* ジンバル 物体の回転台。カメラのスタビライザーなどとして使われる。

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図1  ID.3のヘッドランプ
図1  ID.3のヘッドランプ
ヘッドランプ(上)、LEDの投光部(下)。投光部は上下左右に動かせる仕組みを備えていた。(出所:日経クロステック)
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 ID.3の上位モデルは、VWが「IQ.Light」と呼ぶLEDマトリクスヘッドランプを搭載している。今回、分解のために購入した「ID.3 1st Max」も、IQ.Lightを搭載するモデルのうちの1つだ。

 ID.3のIQ.Lightは、運転者がキーを持ってID.3に近づくと、ヘッドランプの点灯部分を上下左右に動かす機能がある(動画)。駐車場にいる運転者に車両の位置を視覚的に知らせてくれる、いわゆる「ウェルカムランプ」機能だ。

動画 ヘッドランプの動き
点灯部分が上下左右に動く。(撮影:日経Automotive)

 ウェルカムランプ自体は珍しいものではない。運転者がキーを押すとランプを点滅して、車両の位置を知らせてくれる機能は、多くの市販車が搭載している。広い駐車場などで便利な機能だ。ただ、「ウェルカムランプのためにわざわざランプ本体を動かすのは珍しい」(国内の自動車用ランプメーカー)。

人の目玉のように動く

 ヘッドランプ最外部の透明カバー部品を取り外すと、まるで人の目玉のような投光部のモジュールが現れた(図2)。白いプラスチック部品で覆われており、中央には投光レンズが位置している。上下左右に動くのはこの投光部である。

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図2 ヘッドランプカバーを取り外した内部
図2 ヘッドランプカバーを取り外した内部
白いプラスチック部品で覆われた投光部が上下左右に動く。(出所:日経クロステック)
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 レンズを取り囲むこの白いプラスチック部品の表面からも、ほのかに白い光を発する仕組みになっている。同部品のすぐ内側には別の透明なプラスチック部品が重なるように組み込まれており、複数のLEDが取り付けられていた。

 透明なプラスチック部品がいわば光の拡散板の役割を果たし、LEDの光を白いプラスチック部品に行き渡らせているようだ。