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富岳 世界4冠スパコンが日本を救う 圧倒的1位に輝いた国産技術の神髄
富岳 世界4冠スパコンが日本を救う 圧倒的1位に輝いた国産技術の神髄
著者●日経クロステック編集/定価●1980円(税込)/発行●日経BP/判型●四六判 184ページ/ISBN 978-4-296-10898-5

 理化学研究所と富士通が共同開発した国産スーパーコンピューター(スパコン)「富岳(ふがく)」は2021年6月28日(ヨーロッパ夏時間)に発表されたスパコンの性能世界ランキング「TOP500」で、3期連続の世界一を獲得した。本書は富岳を頂点に、この栄冠に至る国産スパコン開発の歴史を辿る一冊だ。

 日経クロステックの記者およそ20人が過去10年間に渡って報道してきた内容を基に、2021年の視点でスパコン開発の歴史を再構成した。本書に目を通せば、近年における日本のスパコン開発の経緯と現状を、およそ把握できる。ただし、書籍名にあるように、紙幅の大部分は20年に稼働した「富岳」だ。主要なベンチマークテスト4つで1位を獲得した日本の最先端スパコンがどのような経緯で生まれ、これまでにどんな成果を上げているのかを概観できる内容となっている。

 富岳を語るには、その前身となったスパコン「京」の試行錯誤について振り返る必要がある。京は09年の計画段階で凍結寸前に追い込まれた。民主党政権(当時)による、いわゆる事業仕分けである。「2位じゃだめなんでしょうか」─。多くの読者が、この発言を覚えているはずだ。先代の京が引退したいま、本書では同発言が日本のスパコン開発に与えた影響についても改めて考察を試みている。

 近年は量子コンピューターの進展もめざましい。本書はそうした新技術の動向についても触れており、現在のコンピューターの技術の動向を理解する上で役立つ。

富岳 世界4冠スパコンが日本を救う 圧倒的1位に輝いた国産技術の神髄

著者●日経クロステック編集/定価●1980円(税込)/発行●日経BP/判型●四六判 184ページ/ISBN 978-4-296-10898-5