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ゼロトラスト Googleが選んだ最強のセキュリティー
ゼロトラスト Googleが選んだ最強のセキュリティー
価格●1980円(税込)/●ISBN 978-4-296-10899-2/発行日●2021年6月21日/著者●勝村幸博/発行●日経BP/四六判 240ページ

 「ゼロトラスト(Zero Trust)」という新しいセキュリティーの考え方に基づく業務システムの導入が加速している。直訳すると「信頼ゼロ」。何も信頼しないという意味だ。ネットワークやコンピューターシステムの信頼性を担保するための考え方であるにもかかわらず「信頼しない」とは不可解だ。そう混乱する人も少なくないだろう。

 そこでゼロトラストを基礎から分かりやすく解説したのが本書である。ゼロトラストとは何なのか、なぜゼロトラストが必要なのか、どのような脅威に対して有効なのか、ゼロトラストを実現するにはどういった機能やサービスが必要なのかを解説。加えてゼロトラストを実践するにはどうすればよいのか、ゼロトラストで守るべき脅威は何なのかなどを説明し、理解していただくのが目的である。

 ゼロトラストは、コンピューター・セキュリティーで今後の主流になっていく考え方である。企業の情報を人質にしたり勝手に暴露したりする「ランサムウエア」など、昨今のサイバー攻撃は凶悪化、巧妙化する一方だ。ゼロトラストはもともとサイバー攻撃の脅威に効率的かつ有効に対処するために考え出された。また、経済性や利便性の観点から多くの企業で急速に進む業務システムのクラウドシフトの進展も、ゼロトラストへの移行が急がれる背景にある。

 さらに2020 年に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行、いわゆるコロナ禍で、多くの企業がリモートワークを本格的に導入し始めたのも大きい。つまり、凶悪化した最近のサイバー攻撃に対抗しやすく、クラウドシフトした今どきの業務システムに対応でき、リモートワークのような働き方改革にも適応しやすい新しいセキュリティーの考え方、それがゼロトラストなのだ。

 業務でパソコンなどを使っていれば、少なくても「サイバー攻撃」や「ウイルス対策ソフト」「ファイアウオール」といった言葉を耳にしたことがあるだろう。そういった言葉の意味を、何となくでも分かっている人すべてを対象にした。ゼロトラストの概要や技術の解説に加えて、導入に向けた基本的な知識が得られるように丁寧に説明している。

 ゼロトラストはあくまでも考え方であり、ファイアウオールなどのシステムやウイルス対策ソフトのような製品の名称ではない。「これさえ導入すればゼロトラストを実現できる」といったゼロトラスト製品は存在しない。このため理解するのが難しい面がある。だが内容自体は難解ではない。

 一度腹落ちすれば、セキュリティー対策全般を理解するのにも重宝する。ゼロトラストは今後のセキュリティーで常識になっていく考え方だ。今のうちから理解しておくとこれから何かと役に立つだろう。本書がその助けになれば幸いである。

ゼロトラスト Googleが選んだ最強のセキュリティー

価格●1980円(税込)/●ISBN 978-4-296-10899-2/発行日●2021年6月21日/著者●勝村幸博/発行●日経BP/四六判 240ページ