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『デジタルヘルス未来戦略 調査編 有望市場分析』
『デジタルヘルス未来戦略 調査編 有望市場分析』
(日経BP)

 日経デジタルヘルスは調査レポート『デジタルヘルス未来戦略 調査編 有望市場分析』に掲載したデジタルヘルス関連ベンチャー100社に対し、「自社以外に注目すべきデジタルヘルス関連ベンチャー/スタートアップ」を聞く恒例のアンケートを実施、デジタルヘルス関連ベンチャーが注目するベンチャー企業を明らかにした。今回、3年連続で1位になったのは、治療用アプリで日本初の薬事承認を得たCureApp(東京・中央)だった。同社の佐竹晃太CEO(最高経営責任者)兼医師に、デジタルヘルスのベンチャーが成功する秘訣を聞いた。(聞き手=河合 基伸)

注目ベンチャーにCureAppを選んだ理由として、「日本で初めて治療用アプリで薬事承認を得て保険適用を受けた」など、アプリを「治療」に用いる道を切り開いた点を評価する声が多く寄せられました。医療ヘルスケア領域での成功に向けて、意識してきたことはあるでしょうか。

 3年連続で注目ベンチャーの1位に選んでいただいたことに驚くとともに、皆さんに感謝しています。我々は2014年7月に創業し、2020年8月にはニコチン依存症の治療用アプリ「CureApp SC」の薬事承認を取得することができました。2020年12月に保険適用されたことで医療機関での処方が始まり、今では数百の医療機関に利用してもらっています。治療用アプリで救いたい患者はまだまだいます。道半ばだと考えており、今後もしっかりと事業を進めていきたいです。

CureAppの佐竹晃太CEO(最高経営責任者)兼医師
CureAppの佐竹晃太CEO(最高経営責任者)兼医師
(出所:CureApp)
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 これまでの製品開発や事業化の過程を振り返ると、常に意識してきたのはさまざまな関係者の考えを尊重することです。医療分野には複数のステークホルダー(利害関係者)がいます。医師(医師会)や患者、研究者(学会)、行政、保険者、さらに社内のメンバーなどです。それぞれの立場に応じた考えがあり、それぞれのモチベーションに基づいて行動しています。それらを踏まえ、要所要所で適切な一手を打っていくことを、愚直に続けてきました。

ベンチャーが選ぶ注目すべきデジタルヘルス関連ベンチャートップ10
ベンチャーが選ぶ注目すべきデジタルヘルス関連ベンチャートップ10
(出所:日経デジタルヘルス)
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 ただし、それぞれの考えを尊重するばかりでなく、事業化や普及に向けて、時には大胆な手を打っていく必要があります。例えば我々の場合、社内の開発体制が十分でない状態で、あえて複数の製品候補の開発を進めました。社内のひずみを生む可能性がありましたが、国内外のライバルの参入・開発動向を見据えて、「今、勝負すべきだ」と判断しました。