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 「買わない人=未顧客」を理解する初めての教科書『“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』(2022年6月、日経BP発行)。経験豊富なマーケティングサイエンティストであるコレクシアの芹澤連氏がさまざまなエビデンスに基づいた未顧客理解の原理原則と、日々のマーケティング実務で実践できるフレームワークを、マンガと図表で詳しく解説した書籍です。「未顧客理解」のエッセンスをお届けしている本連載。今回は未顧客にどうアプローチすれば売り上げが増えるのか。そのために有用な「顧客のゲームを理解する視点」について解説します(技術プロダクツユニットクロスメディア編集部)

 極論すれば、商売としては買ってもらえればそれで十分であり、なぜ買うかという理由は企業の狙った通りである必要はありません。大事なのは「購買する」「利用する」というブランドにとって望ましい行動が増えることです。

 本連載の6回目(「課題解決型思考」に出口なし、関心がない理由は考えても無駄)で、「未顧客は理由があって行動するのではなく、行動したという事実が理由を生んでいる」と説明しました。そうした視座に立てば、「どうすれば好きになってもらえて、かつ行動も増えるか」と間接的に考えるより、「どうすればブランドを利用するという行動が増えるか」を直接考えるべきだと言えます。本記事では、そのために有用な「顧客のゲームを理解する視点」を説明します。