著者がかかったギランバレー症候群という病気は、罹患(りかん)直後が最も重く、徐々に改善に向かう病気です。その特性から、「障害のある人が伝えたくても伝えられなかった声」を聞くことができます。本書はそうした声をもとに生まれました。
あなたの周りに身体の不自由があって日常生活に困っている人がいれば、本書に記載しているアクセシビリティ機能で支援してほしい。不自由を補完するテクノロジーは、iPad/iPhoneに備わるなど身近にあり、知らないだけなのです。
リハビリテーション・介護の現場で使える機能や、入院中のベッドで使える機能も紹介します。ただし、導入しようとすると、ネット環境の整備やICTの知識などいくつもの課題があります。ぜひ医療関係者の方に本書をお読みいただき、誰もが快適に生活できる環境づくりに生かしていただけるよう、現場の課題と解決の指針を医師の視点でお伝えします。
目次
- はじめに
- 序章 アクセシビリティが可能性を広げる
- 第1章 iPadとアクセシビリティ
- 1-1 iPhoneとiPadの魅力
- 1-2 アクセシビリティタグ
- 1-3 アクセシビリティタグとiPadのアクセシビリティ機能
- 第2章 スマート家電とAIスピーカー
- 2-1 音声で操作できるAIスピーカーの魅力
- 2-2 既存の家電をスマート化する
- 2-3 家電以外をスマート化する
- 2-4 スマート化するメリット
- 第3章 iPadライフが笑顔を広げる
- 3-1 iPadは命の次に大事なものです
- 3-2 先入観は可能を不可能にする
- 第4章 何気なく使っている便利なアクセシビリティ
- 4-1 文字の大きさや太さを変更して画面を見やすく
- 4-2 画面の反転表示や明るさの調整
- 4-3 拡大鏡で見えやすく
- 4-4 ズーム機能で画面を拡大表示
- 4-5 音声で文字入力
- 4-6 AssistiveTouch(アシスティブタッチ)
- 4-7 離れていても出会えるテレビ電話・FaceTime
- 4-8 ちょっと知っていると便利な機能
- 第5章 iPadのアクセシビリティ機能
- 5-1 少しの身体の動きで使うスイッチコントロール
- 5-2 声だけでiPadを操作する音声コントロール
- 5-3 聞いて操作するVoiceOver
- 5-4 聞いて理解する読み上げ機能
- 5-5 画面が見づらくタップもしづらいとき
- 5-6 画面を指でタップしづらいとき
- 5-7 Siriに話しかける
- 5-8 ショートカットを活用する
- 第6章 アクセシビリティ機能をもっと活用する
- 6-1 突然の入院で家族も面会禁止・そこでiPadが活躍
- 6-2 着信音で相手を聞き分ける
- 6-3 声だけでメッセージの送受信をする
- 6-4 ヘッドトラッキング
- 6-5 スイッチコントロールでの日本語入力
- 6-6 視線入力装置
- 6-7 スクリーンショットを撮る、画面操作を録画する
- 6-8 様々なアプリを活用する
- 6-9 アクセシビリティ機能の組み合わせと切り替え
- 第7章 Apple製品を活用する
- 7-1 Apple IDと2ファクタ認証
- 7-2 iPadのWi-FiモデルとCellularモデル
- 7-3 iPadをiPhoneと組み合わせて使う
- 7-4 Apple Pencil
- 7-5 Apple Watch
- 第8章 リハビリテーションとiPad
- 8-1 リハビリテーションとICT
- 8-2 環境制御装置
- 8-3 現場での導入の課題
- 8-4 日常生活・コミュニケーションを支援する制度
- 8-5 専門家に相談する
- おわりに
iPadがあなたの生活をより良くする
著者●安保雅博 総指揮、髙尾洋之 編著/価格●1980円(10%税込み)/発行●日経BP/判型●A5 286ページ/発行日●2022年06月20日/ISBN 9784296112234