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 書籍『誰も教えてくれなかったアジャイル開発』(日経BP)では、ウオーターフォール型開発が主流の「日本企業」で試行錯誤しながらアジャイル開発を成功に導いてきたコンサルタントたちが、自らの経験を体系化している。本書から抜粋し、「QCDS」の優先順位づけについて解説する。(技術プロダクツユニットクロスメディア編集部)

ポイント(7) QCDSで重視する指標を決める

 ポイントの7つ目は、インセプションデッキの9つ目の設問・課題「何を諦めるのか」に関するものだ。

インセプションデッキの10個の設問と課題
インセプションデッキの10個の設問と課題
(出所:『アジャイルサムライ―達人開発者への道』〔Jonathan Rasmusson著、西村直人・角谷信太郎監訳、近藤修平・角掛拓未訳、オーム社、2011年〕の46ページを参考にシグマクシス作成)
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 一般にアジャイル開発では、「品質」「コスト」「納期」「スコープ」、いわゆるQCDSの4つの指標のうち、何を重視するかという「基準」を決めながらプロジェクトを進めていく。その判断基準の優先順位をアジャイルチームとステークホルダーを含むプロジェクト関係者とすり合わせる際に使うのが、「トレードオフドライバー」と呼ぶ考え方である。

ストレードオフドライバーの設定例、優先順位を明確にしてステークホルダーと認識を合わせる
ストレードオフドライバーの設定例、優先順位を明確にしてステークホルダーと認識を合わせる
(出所:シグマクシス)
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 トレードオフドライバーでは、プロジェクトの目的や特性に鑑み、「品質」「コスト」「納期」「スコープ」の優先順位を決める。優先順位が最も高いものを4ポイント、最も低いものを1ポイントとする。なるべくポイントが被らないように設定する。ただ優先順位を付けられない場合は、同じポイントでも許容する。

 「品質」「コスト」「納期」「スコープ」はどれも重要な指標であるため、その優先順位を簡単には決めにくい。そこで、まず初めに最も重要な指標と最も優先順位が低い指標を決めてしまうとよいだろう。最も重要な指標とそうでないものは、プロジェクトの目的や特性を考慮すれば比較的決めやすいためである。その後、残りの2つの指標の優先順位を決める流れで検討すれば、スムーズに決められる。