全2357文字

 Windowsの内部構造を詳細に解き明かす定番書籍「インサイドWindows」。1992年の初版発行以来(初版の訳書は1993年発行)、Windowsに接するすべてのITエンジニアのバイブルとして永く読み継がれてきました。最新刊の第7版は、2017年5月に上の原書が発行され(訳書の発行は2018年5月、山内和朗訳)、約4年の歳月を経て2021年10月に下の原書が発行されました(訳書の発行は2022年9月、山内訳)。

 第7版完結を機に、「インサイドWindows」の読みどころを、上(第1章~第7章)と下(第8章~第12章)から抜粋してお届けします。今回は第6章(上)からの抜粋で、WindowsのI/Oシステムのコンポーネントを見ていきます。(日経BOOKSユニット第2編集部)

第6章 I/Oシステム

 WindowsのI/Oシステムは、複数のエグゼクティブコンポーネントで構成されており、それらが共に、ハードウェアデバイスを管理し、アプリケーションとシステム向けにハードウェアデバイスへのインターフェイスを提供します。

 この章では、まず、I/Oシステムの実装に影響を与えた設計目標について列挙します。次に、I/Oシステムを構築しているコンポーネントについて説明します。これには、I/Oマネージャー、プラグアンドプレイ(PnP)マネージャー、および電源マネージャーが含まれます。

 続いて、I/Oシステムの構造とコンポーネント、およびさまざまな種類のデバイスドライバーについて調べていきます。デバイス、デバイスドライバー、I/O要求を説明する主なデータ構造体について議論し、その後、I/O要求がシステムを通して移動するときに、I/O要求を完了するために必要なステップについて説明します。最後に、デバイスの検出、ドライバーのインストール、および電源管理の機能を明らかにします。