今や誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを使う。ネットなしの生活など考えられないくらいだ。その隆盛を土台として支えてきた通信インフラが巨大IT企業(ビッグテック)や政治に揺さぶられている。
既に海底ケーブルはその多くがグーグルやアマゾンなどの巨大IT企業が敷設するようになった。これまでNTTなど通信事業者の牙城と思われてきた、電話のコアネットワークにもこれらの企業が進出しつつある。
一方で、ウクライナ戦争に端を発し、政治によるインターネットの分断も進む。5Gでも米中の分断が起こっている。これまでの開かれたネットの世界は夢幻になっていくのか。
こういった巨大ITや政治の力がネットを揺さぶる中で、日本はこれからどのようにしていくべきか。NTTは独自の「IOWN構想」でその存在感を示そうとする。
本書は、このような激変期を迎えた世界の通信に関する動きに、地政学という切り口でフォーカスを当てる。これらの動きから、来る2030年代の情報通信の世界を展望する。
目次
- 序章 巨大IT企業が通信をのみ込む
- 第1章 海底の主役交代─巨大IT企業vs通信事業者
- コラム 海底ケーブル世界有数の製造現場に潜入
- 第2章 クラウドの侵食─巨大IT企業vs通信機器大手
- 第3章 ネットの亀裂─民主主義国vs権威主義国
- 第4章 二つの5G─米国vs中国
- 第5章 「ゲームチェンジ」で挑む─巨大IT企業vsNTT
- 第6章 データを巡る闘い─巨大IT企業vs欧州
- 第7章 グローバルインターネットの終焉
Google・Amazonがインフラをのみ込む日』
価格:2200円(税込)
ISBN:9784296200344
発行日:2022年12月05日
著者名:堀越功 著
発行元:日経BP
ページ数:232ページ
判型:四六