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 映像や音声を使って工事の検査や進捗確認を実施する「遠隔臨場」向けに、三井住友建設がビデオ通話や工事管理帳票を編集する機能を集約したiPadアプリを開発した。施工現場の担当者や検査に立ち会う発注者が複数の機器やソフトウエアを組み合わせる手間を減らした。

仮設ガードレールの材料検査で遠隔臨場を実施する様子。ビデオ通話や帳票データの編集がiPad1台でできる(写真:日経クロステック)
仮設ガードレールの材料検査で遠隔臨場を実施する様子。ビデオ通話や帳票データの編集がiPad1台でできる(写真:日経クロステック)
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 アプリの名称は「遠検」で、三井住友建設が2020年の夏に完成させた。同年、東日本高速道路会社が発注した関越自動車道松川橋床版取り替え工事の材料検査や配筋検査などに初めて導入した。

 遠検の開発着手は新型コロナウイルス感染症の拡大が始まる前の19年5月ごろだった。当時はまだ遠隔臨場の実施要領が制定されていなかったが、発注者が施工現場まで移動することなく遠隔で検査に立ち会える仕組みや、施工現場とオフィスのやりとりをリモート化して社内検査に役立てる方法を模索していた。

 一般的なビデオ会議ツールを使うことも検討したが、カメラによる撮影や帳票データの編集、通信などに複数の機器やソフトウエアを組み合わせると操作や管理が煩雑になることが課題だった。そこでカメラやマイク、通信機能やディスプレーを備えたタブレットを使って、映像や音声、帳票の情報をまとめて扱えるアプリを検討した。

タブレット1台にビデオ通話機能と帳票データの編集機能を集約した(写真:日経クロステック)
タブレット1台にビデオ通話機能と帳票データの編集機能を集約した(写真:日経クロステック)
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 アプリは次のような流れで使う。PDFファイルに変換した帳票データをあらかじめクラウドに登録しておき、検査名称とひも付けておく。現場の担当者と遠隔地の立会者がアプリを入れたタブレットを1台ずつ持ち、それぞれアプリを起動する。一覧から実施する検査を選ぶとビデオ通話が始まる。

遠検のアプリアイコン。三井住友建設はiPad miniで運用する(写真:日経クロステック)
遠検のアプリアイコン。三井住友建設はiPad miniで運用する(写真:日経クロステック)
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遠検のメニュー画面。事前に帳票データなどをひも付けた検査名を選んでビデオ通話を開始する(資料:三井住友建設)
遠検のメニュー画面。事前に帳票データなどをひも付けた検査名を選んでビデオ通話を開始する(資料:三井住友建設)
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