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メッセージは16ビット

 1個のFLPバーストで16ビットのメッセージを送ることになる。これはオートネゴシエーションでやりとりする基本的なデータで、「ベースページ」と呼ばれる。

オートネゴシエーションの基本的なメッセージのフォーマット
オートネゴシエーションの基本的なメッセージのフォーマット
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 ベースページに含まれる各ビットには、分かりやすいようにD0~D15のラベルが付けられている。先頭の5ビットであるD0(S0)~D4(S4)は「セレクターフィールド」と呼ばれ、LAN技術の種類を選択するために使われる。

 ナショナルセミコンダクターの独自技術をベースにした「IEEE 802.9」など、他のLAN技術も選択できるようにしている。ただ現在では、イーサネット(IEEE 802.3)を示す「00001」で固定となっている。

 続くD5(A0)~D11(A6)の7ビットは「技術能力フィールド(Technology Ability Field)」と呼ばれ、対応する規格や複信方式などを記載する。例えば、D6(A1)が「1」なら10BASE-T(全2重)を、D8(A3)が「1」なら100BASE-TX(全2重)をサポートしていることを示す。

 D10(A5)とD11(A6)は「PAUSE操作」に対応しているかどうかを伝えるためのビットである。

 PAUSE操作とは、「PAUSEフレーム」と呼ばれる特殊なイーサネットフレームを使ったフロー制御のこと。フレームを受信するスイッチのフレームバッファーがあふれそうになると、フレームの廃棄を防ぐために送信側のスイッチにいったんフレームの送信を止めてもらう仕組みがある。これをフロー制御という。このときフレーム送信の停止を要求するために受信側のスイッチが送信側に送るのがPAUSEフレームである。

 PAUSEフレームはMACヘッダーの「長さ/タイプ」フィールドに「8808(16進数)」をセットした特別なフレームである。PAUSEフレームは送信停止の指示に加え、送信再開までの時間を指定する情報も送信する。

 受信側スイッチでの処理が進んでフレームバッファーが空いてくると、送信側スイッチに対して再開までの時間をゼロに設定したPAUSEフレームを送る。それを受け取った送信側スイッチは、直ちにフレームの送信を再開する。

高速な新規格にも対応

 話をベースページの内容に戻そう。16ビットのうち、最後の4ビットはオートネゴシエーションの操作に関するビットである。

 D12の「XNP(eXtended Next Page)」とD15の「NP(Next Page)」は、別のFLPバーストで追加のメッセージを送ることを示すビットである。100Mイーサネットまでは1つのベースページだけでデータをやりとりできるので、いずれのビットも「0」となる。

 100Mビット/秒よりも高速な1000BASE-T以上の規格では、追加のメッセージが必要となる。これについては後述する。

 D13の「RF(Remote Fault)」は遠隔障害を示すビットである。受信側の機器がリンクに障害を検知すると、送信側に送るFLPバーストでRFを「1」に設定する。

 D14の「Ack(Acknowledge)」は確認応答のためのビットだ。受信側の機器が同じメッセージのFLPバーストを3回受け取ると、メッセージを受信したと見なし、送信側に送るFLPバーストのAckを「1」にして送る。これにより、FLPバーストにビットエラーが起こっても正しいメッセージを届けることができる。