デジタルトランスフォーメーション(DX)をリードする役職として、CIO(最高情報責任者)だけでなく、CDO(最高デジタル責任者)と呼ばれる役職も出てきた。DXリーダーは、CIOがいいのか。CDOがいいのか。それともほかに適任者がいるのか。こんな素朴な疑問を抱くかもしれない。
DXリーダーの適任者は誰か――。日清食品ホールディングス・執行役員CIO(最高情報責任者)を2021年3月末まで務め、同社でDXをけん引してきた喜多羅滋夫氏にズバリ聞いてみた。
「リーダーの適任者は、変革テーマによって異なる」。答えは明快だ。「DXの適任者はCIOか?CDOか?」という議論そのものに意味がない、ということだ。愚問に対する喜多羅氏の意見に耳を傾けてみよう。
Chapter19の要点
- DXで成果を上げるには、経営と事業部門とIT部門が連携・一体となることが不可欠
- リーダーの適任者は、変革テーマによって異なる
- DXプロジェクト全体をグリップするのは、CIOの役割
- 「適任者はCIOかCDOか」という議論には意味がない