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 米Microsoft(マイクロソフト、MS)が、ゲーム事業の強化策を矢継ぎ早に打ち出している。2021年6月に発表した、同年末にリリース予定の次期OS「Windows 11」では、同社の最新ゲーム機「Xbox Series X」や「Xbox Series S」に搭載した機能に対応すると明らかにした。その後、クラウド型ゲーム配信サービス「Xbox Cloud Gaming」を米Apple(アップル)のiPhoneやiPadなどでも利用可能にすると発表。これにより、Android端末を含めたスマートデバイス全般でクラウド型ゲームサービスを提供する体制が整った。ゲーム機だけでなく、パソコンやスマートフォン、タブレット端末、テレビといったさまざまな機器にゲームを提供するマルチデバイス対応で、30億人と目されているゲーム利用者にリーチしていく。

Windows 11におけるゲーム配信サービス「Xbox Game Pass」の画面
Windows 11におけるゲーム配信サービス「Xbox Game Pass」の画面
(出所:マイクロソフト)
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 Windows 11で強化したゲーム向け機能は主に2つある。1つは、「Direct X 11」ベースのゲームタイトルに対して、自動的にHDR (High Dynamic Range)による高画質化を行う機能である。「Auto HDR」と呼ぶ。Xbox Series X/Sに搭載された機能だ。

 もう1つは、NVMeインターフェースを搭載したSSDを通じて、ゲームデータを高速にロードできるようにしたこと。Xbox Series X/Sに採用した「DirectStorage」技術を活用したもので、要件を満たしたWindows 11搭載パソコンで高速なローディングが可能になる。

 この2つの機能は、いずれもXbox Series X/Sのウリとしている機能である。その分、ゲーム向けPC(ゲーミングPC)と最新ゲーム機の差が縮まったといえる。

 ゲーミングPCとゲーム機の価格差も縮まりつつある。以前であれば、最新ゲーム機とそん色なくゲームをプレーするには、10万円以上のゲーミングPCが必要だった。現在では数万円のゲーミングノートPCで済む。例えば、米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)を搭載したゲームノートPCは799米ドルからラインアップされている。499米ドルのXbox Series Xや米Sony Interactive Entertainment(SIE、ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の「PlayStation 5(PS5)」に比べて高価なものの、PCという汎用性も考慮すると、コストパフォーマンス(コスパ)は高い。こうした状況で、Windows 11がHDRやSSDの高速ロードに対応すれば、ますますゲーミングPCのコスパは上がる。