米Microsoft(マイクロソフト)が2021年6月24日(現地時間)に発表した「Windows 11」はタスクバーのアイコンやスタートメニューの位置が大きく変わったり、クイック設定が独立したデザインになったりなど、UI(ユーザーインターフェース)の変更に注目が集まっている。一方、細かな設定項目の変更や機能の追加などでユーザーの使い勝手も向上している。こういった変更点にも目を向けたい。
例えば、Windows 10でノートPCで外部ディスプレーを使用していた場合、ディスプレーを取り外したり、再び接続したりしたときにいちいちウインドウ位置を調整するのが面倒だったはずだ。Windows 11ではこういったところも、「ちょい変更」で使いやすくしている。
どのような変更があったのか、順番に見ていこう。
外部ディスプレーの再接続時にウインドウ位置が復元される
テレワークなどの在宅勤務でノートPCを利用しているとき、外部ディスプレーを使って作業している人もいるだろう。このノートPCを外部ディスプレーのない場所で利用すると、Windows 10では開いていたウインドウがすべてノートPCのディスプレーに表示される。
自宅に戻って再びノートPCを外部ディスプレーに接続しても、ウインドウ位置は復元されず、ノートPCのディスプレーに収まったままだ。このため、外部ディスプレーを使う環境に戻ったときはウインドウ位置を元に戻す操作が必要だった。
Windows 11では、外部ディスプレーを接続したときのウインドウの位置を記憶するようになった。このため、外部ディスプレーに再接続するとウインドウは元の位置に復元される。
また、外部ディスプレーを取り外したときの動作も変更された。外部ディスプレーの領域で表示していたアプリのウインドウは最小化されるようになった。
これらの機能の有効化/無効化は、[設定]-[システム]-[ディスプレイ]-[マルチディスプレイ]から設定できる。[モニターの接続に基づいてウインドウの位置を記憶する]を有効にすると、外部ディスプレーを再接続したときに以前の状態を復元する。[モニターが接続されていないときにウインドウを最小化する]を有効にすると、外部ディスプレーを取り外したときにアプリを最小化する。これらの設定はデフォルトで有効化されている。
仮想デスクトップの切り替えがスムーズに
仮想デスクトップの一覧が、画面下部に表示されるようになった。タスクバー内の[タスクビュー]ボタンを選択すると、仮想デスクトップの一覧が画面下部に表示される。
各仮想デスクトップをマウスオーバーすると、その仮想デスクトップで起動しているアプリの一覧が画面上部に表示される。[タスクビュー]ボタンと仮想デスクトップの一覧とが近くに配置されたため、仮想デスクトップの切り替えがスムーズになった。
Windows 10でタスクバーを画面下部に配置していた場合、仮想デスクトップの一覧は画面上部に配置される。このため、仮想デスクトップを切り替えるときのマウスの移動距離が遠かった。
また、仮想デスクトップごとに背景画像を変更できるようになった。Windows 10では、どの仮想デスクトップでも背景画像は同一だった。仮想デスクトップの一覧から対象の仮想デスクトップにカーソルをあわせて右クリックし、メニューから[背景の選択]を選択する。すると対象の仮想デスクトップ内で[背景]の設定画面が開くので、任意の背景画像を選択することでその背景画像が適用される。
仮想デスクトップを使用して作業を行っている時、どの仮想デスクトップで作業しているかを見失うことがあったが、仮想デスクトップごとに異なる背景画像を設定しておくことで、どの仮想デスクトップで作業しているかを容易に確認できるようになった。