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 アイシンの「全集中!ワッシャー整列の呼吸」は、無造作に投入されたワッシャーを1列に重ねて整列させるからくりである(図1*1。整列させたワッシャーはトランスミッション製品の生産ラインに供給する。「第25回からくり改善くふう展2020」で、「最優秀からくり改善賞」を受賞した作品だ*2

図1 全集中!ワッシャー整列の呼吸
図1 全集中!ワッシャー整列の呼吸
写真はデモ機。振動する金属容器にワッシャーを入れると、アクリルパイプの中で重なりながら整列する。大きさはおよそ横60×縦10×高さ30cm。(出所:アイシン)
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*1 出展当時はアイシン・エイ・ダブリュ。同社は2021年4月、アイシン精機と経営統合してアイシンとなった。

*2 からくり改善くふう展
工場の改善活動で生まれた「からくり」の展示会。日本プラントメンテナンス協会が主催する。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年度の同展は2021年3月23~26日のオンライン開催となった。50社が162作品を出展。

 同社の工場は、トランスミッションに使う鉄製のワッシャーを組み立て工程に供給するのに、パーツフィーダーを用いている*3。このパーツフィーダーにワッシャーを補給するには、あらかじめ専用の金属製の補給棒に通しておく必要があるという(図2)。

 ワッシャーの外径はおよそ20mm、内径は13mm。これまで作業者は、無造作に置かれたワッシャーを数枚ずつ手に取り、長さ約300mmの補給棒に通して整える作業を繰り返していた。

図2 手作業によるワッシャーの整列
図2 手作業によるワッシャーの整列
以前は手作業でワッシャーを補給棒に通していた。(出所:アイシン)
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*3 パーツフィーダー
部品の切り出し装置。部品を重なりなく連続的に取り出して供給する。

 補給棒1本に入るワッシャーは約250枚で、その作業時間はおよそ5分。同作業の頻度は1日あたり12回で、合計1時間ほど掛かっていた。「手による整列はやりにくく、ワッシャーを取り落とす恐れもある」(担当者)。同社がこのからくりを製作したのは、そうしたワッシャーの整列作業の手間を減らすためである。