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新型コロナウイルス対策として在宅勤務を中心としたテレワークが普及する一方、テレワークに取り組むビジネスパーソンにとってコミュニケーションは依然、大きな課題になっている。解決しないと業務の停滞などを招きかねない。そこでテレワーク先進企業の取り組みを中心に、課題の解決策を紹介する。今回も「新入社員や中途社員、異動してきた社員といった新人との対話」の活性化策を押さえよう。

 前回は、テレワーク環境下で難しくなっている新入社員の人間関係づくりを進めるためのポイントと、テレワーク先進企業のコミュニケーション活性化策には「ツールを使い分ける」「ゲーム感覚で人柄をつかむ」「デジタルを活用する」の3つがあると紹介した。今回は最後の「デジタルを活用する」という策を取り上げる。

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 仮想的なオフィスに同じ部署のメンバーが出社することでコミュニケーションが取れる仮想オフィスサービスや、AR(拡張現実)といったデジタル技術を活用して、新入社員や若手社員が、先輩社員などと気軽にコミュニケーションを取れるようにする取り組みが進んでいる。エン・ジャパンとリコージャパンの施策が参考になる。

仮想オフィスで新人の初受注をお祝い

 エン・ジャパンは2020年秋から導入している仮想オフィスサービス「oVice」上で、求人広告などの案件を入社して初めて受注できた新入社員のお祝いをしている。

 仮想オフィス上の初受注を果たした社員のアバターの周りに、先輩社員のアバターが集まっている。oViceではアバター同士が近づくと話し声が聞こえるようになっていたり、チャット機能を使うと入力したメッセージが吹き出しで表示されたりする。先輩社員はこうしたoViceの機能を使って、思い思いにお祝いの言葉を、新入社員に伝えている。

エン・ジャパンが導入している仮想オフィスサービス「oVice」の画面例。初受注を果たした社員のアバターの周りに、先輩社員のアバターが集まってお祝いをしている
エン・ジャパンが導入している仮想オフィスサービス「oVice」の画面例。初受注を果たした社員のアバターの周りに、先輩社員のアバターが集まってお祝いをしている
(出所:エン・ジャパン)
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 エン・ジャパン内部監査室経営推進チームの今村明則氏は「出社勤務時には、新人の初受注をごく普通に祝っていた。リモートワーク環境下でもバーチャルなオフィスを活用することで再現できている」と説明する。祝ってもらったある新入社員は「先輩からoVice上で祝ってもらってとてもうれしかった」と振り返る。

 お祝いが一通り済んで多くの社員が仕事に戻ってからも、残って新入社員に話しかける先輩社員もいて「お祝いをしてもらった後の余韻にも浸れる」とエン・ジャパンの今村氏はメリットを語る。

新入社員が先輩社員に相談する機会が減ってしまった

 エン・ジャパンは2020年4月、新型コロナウイルス対策で在宅勤務に一斉に取り組んできたが、当初はコミュニケーションという課題に直面した。「新入社員は在宅勤務で社会人生活をスタートさせる状況になったことで、先輩社員に気軽に話しかけて仕事の進め方などについて教えてもらう機会が減ってしまった。上司も新人が何をしているのか見えなくなったので、仕事に困っている新人をフォローしたくても、効果的にフォローできないといった課題に直面していた」と今村氏は振り返る。

 こうした課題の解決策としてoViceを導入した。