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多ければ多いほうがよいストリーム数

 現在の無線LANは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)という仕組みを使い、複数の電波(ストリーム)を束ねて高速化を図る。Wi-Fi 6では1台の端末と1台の無線LANルーターの間で最大8個のストリームを使って通信できる。送受信で8ストリームを使う場合、「8×8」と表記する。

 また無線LANルーターが対応するストリーム数が多いと、複数の端末で同時に接続するようなケースでも高速な通信がしやすくなる。このため、無線LANルーターのストリーム数は多ければ多いほどよい。

 ただメーカーを超えて製品のストリーム数を比較するのは難しい。カタログやパッケージを見ると、最大の8を超えるストリーム数をうたう製品も少なくない。メーカーによってストリーム数の数え方が異なるからだ。例えば、5GHz帯と2.4GHz帯でそれぞれで使えるストリーム数の合計をストリーム数として表記している場合がある。比較するときは、使用する各周波数帯ごとのストリーム数を確認する必要がある。またメーカーによっては、ストリーム数をアンテナ数と呼ぶ。このアンテナ数は物理的なアンテナの本数とは異なる。この点も注意が必要だ。

バッファローの「WXR-6000AX12S」(実売価格は4万400円前後)。物理的なアンテナの本数は4本で、ストリーム数を「12」とうたっている。この製品は5GHz帯では8ストリーム、2.4GHz帯で4ストリームを使える
バッファローの「WXR-6000AX12S」(実売価格は4万400円前後)。物理的なアンテナの本数は4本で、ストリーム数を「12」とうたっている。この製品は5GHz帯では8ストリーム、2.4GHz帯で4ストリームを使える
出所:バッファロー
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表記の種類が多くて分かりにくい有線LANポート

 無線LANルーターの製品選びでは無線LANの仕様だけでなく、有線LAN端子の仕様を確認する必要がある。

 まず無線LANルーターにつなぐ有線LAN機器の仕様を確認しよう。パソコンや家電では最高速度が1Gbpsの「Gigabit Ethernet」が使われていることが多い。規格名は「1000BASE-T(IEEE 802.3ab)」である。また、ネットワークハードディスク(NAS)や一部のハイエンド向けのパソコンでは「10Gigabit Ethernet(10GbE)」や「Multi Gigabit Ethernet」といった2.5Gbps~10Gbpsの規格が使われている。これらの規格名は10GbEが「10GBASE-T(IEEE 802.3an)」、Multi Gigabit Ethernetが2.5Gbpsの場合は「2.5GBASE-T」、5Gbpsの場合は「5GBASE-T」(ともにIEEE 802.3bz)である。

 多くの無線LANルーターは有線LAN端子を複数搭載し、製品によって一部もしくはすべての端子が10GbEやMulti Gigabit Ethernetに対応する。有線LANで接続する機器の仕様に合わせて、無線LANルーターを選ぶとよい。ただ、前述したように有線LANの規格に複数の表記方法があるため分かりにくくなっている。

 なお、無線LANルーターの有線LAN端子には「WAN」と「LAN」の2種類がある。WANはインターネットポートと呼ばれ、インターネット回線とつなぐために使う。一方のLANはローカルポートと呼ばれ、パソコンやNASをつなぐために使う。1Gbpsを超えるようなインターネット回線サービスもあるので、それらのサービスを利用しているときはWAN側が10GbEやMulti Gigabit Ethernetに対応した製品を選ぶ。