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 システムを開発するITエンジニアにとって、プログラミング言語の流行を押さえることは重要だ。現在のスキルが次代のシステム開発に利用できるとは限らないからだ。いち早く流行を知り、次代のシステム開発に利用する言語のスキルを磨かなければならない。

 では、ITエンジニアがスキルを磨きたいと思っているプログラミング言語は何か。Webアンケートで今後スキルを磨きたい言語を聞いた。

 アンケートでは、今後スキルを磨きたい言語を複数回答で選んでもらった。その結果、スキルを磨きたい言語の第1位は、利用している言語と同じ「Python」だった。有効回答者455人中263人がスキルアップを望んでいる。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには、AI(人工知能)システムやデータ分析システムの構築が欠かせない。こうしたシステムを構築するには、Pythonのライブラリーやフレームワークが有用だ。スキルを磨きたい言語の第1位になったのも納得できる。

今後、スキルを磨きたいと思う言語。20位までを抽出
今後、スキルを磨きたいと思う言語。20位までを抽出
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 第2位は「JavaScript」(123人)だった。第3位は「C/C++」と「C#」が同数で78人だった。第5位だった「Java」(72人)を含めてスキルアップを望む言語は、利用している言語でも上位に選ばれている。

RustやGo、TypeScriptが台頭

 興味深いのはJavaと同数で第5位だった「Rust」(72人)や第6位の「Go」(63人)、第7位の「TypeScript」(60人)である。これらの言語は、利用していると回答したITエンジニアは少ない。にもかかわらず上位にランクインした。つまり現在は利用していないが、今後利用する可能性が高いと予想するエンジニアが多い結果となった。

 Rustは安全にメモリーを管理する所有権という概念を取り入れている。C/C++では手間になりがちだったメモリー管理の作業を軽減できる。GoはJavaやC#、Rubyなどが備える例外処理の機能は備えていないが仕様はシンプルである。シンプルなゆえに高速な動作が見込める。TypeScriptはコンパイルによりJavaScriptのコードに変換できる。型やクラス機構などが備わっており、JavaScriptよりも安全なコードを記述できるという特徴がある。

 RustやGoはC++を代替するために開発された言語だ。PythonやRubyなどのスクリプト言語のように手軽にアプリケーションを開発できるわけではないが、OSやミドルウエアなどを開発するシステムプログラミングに有用である。今後は次代を担う新言語のスキルが求められることになりそうだ。