2035年に期限が迫る新車の乗用車の全車電動化。登録車に比べて電動化が遅れ、ハイブリッド車(HEV)といえば簡易HEV (MHEV)という状況の軽自動車にとっては喫緊の課題だ。そんな軽自動車に重くのしかかるのが、30年度からの乗用車の次期燃費基準。現状のMHEVよりも燃費改善効果の高い電動車が求められている。軽自動車の電動化をどう進めればよいのか、その方向性を探る。

連載
軽自動車・電動化への挑戦
目次
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軽の電動化 発想の転換でEVを安く
最終回
用途を限定することも、軽の電気自動車(EV)の低コスト化に有効だ。走行距離や走行ルートが限定された商用や、街乗り・ちょい乗りの要素が強いカーシェアや相乗りのようなMaaS(Mobility as a Service)に用途を限定すれば、航続距離や最高速度、乗車定員などで割り切ることが可能になる。
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軽の電動化 EV低コスト化で鍵握る戦略
第4回
軽自動車には、ハイブリッド車(HEV)より電気自動車(EV)の方が向いているかもしれない―。群馬大学大学院理工学府知能機械創製部門客員教授の松村修二氏など、今回の取材を通じて多くの専門家から聞こえてきた声だ。
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軽の電動化 高電圧ストロングHEVはパラレル系に期待
第3回
新車の軽自動車の100%電動化と「乗用車の2030年度燃費基準」(企業別平均燃費基準方式、CAFE方式)をより確実に達成していく上で、期待されるアプローチの1つが高電圧の電源システムを用いたストロングハイブリッド車(ストロングHEV)の開発である。
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軽の電動化 ベルト駆動のMHEVは限界、48Vに期待か
第2回
第1回でも触れたが、登録車と比べてコストや搭載スペースなどの制約が厳しい軽自動車。そのため、電動パワートレーンや電池などの追加搭載が必要な電動化は遅れていた。そんな中でかろうじて存在しているのが、ベルト駆動のISG(モーター兼発電機)を使った簡易ハイブリッド車(MHEV)である。
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軽の電動化 重くのしかかる30年度燃費基準
第1回
2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現できるように包括的な措置を講じる―。日本政府は、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の一環として、純エンジン乗用車の新車販売禁止に向けて動き始めた。