全2732文字
PR

 流山市立おおぐろの森小学校は、千葉県流山市の大畔地区に立地する木造3階建ての小学校である。大畔地区に元から群生する木立の中に、大屋根を架けた学び舎をつくった。新設校として2021年4月に開校している。

教室棟の3階廊下。構造用LVLを用い、150mm×350mmの登り梁(千葉県産スギ)を150mm×150mmの方杖(信濃町産カラマツ)で支持する屋根架構としている(写真:安川千秋)
教室棟の3階廊下。構造用LVLを用い、150mm×350mmの登り梁(千葉県産スギ)を150mm×150mmの方杖(信濃町産カラマツ)で支持する屋根架構としている(写真:安川千秋)
[画像のクリックで拡大表示]
3階教室。教室では、⾃然通風による窓開け換気を基本としている。さらに、トップライトと勾配屋根を組み合わせた集熱屋根による換気システムを併用している(写真:安川千秋)
3階教室。教室では、⾃然通風による窓開け換気を基本としている。さらに、トップライトと勾配屋根を組み合わせた集熱屋根による換気システムを併用している(写真:安川千秋)
[画像のクリックで拡大表示]

 流山おおたかの森・おおぐろの森エリアでは、05年のつくばエクスプレス開業以降、大規模な住宅開発が続く。児童数が急増中であるため、本校の規模は、最大で48クラスとなる状態が与条件とされた。21年は16クラスで始めるが、26年には38クラスに増える見込みだ。文部科学省が定義する過大規模校(31クラス以上)に当たる。

 生徒数の増減に対応する方策の1つとして、一筆書きとなるように教室を用意し、やり繰りしていく考え方がある。しかし、本校の場合、当面は大幅な増加が予想される。そこで最終的に独立した学年ゾーンの構成が可能となるように最終形をプランニングし、増築を前提として計画している。

 急激な人口増に対応するために、特別教室を普通教室に転用する場合がある。そのときは、適正数で計画された特別教室を普通教室に転用する形になる。結果的に学年ごとのゾーニングが崩れ、他の学年の児童が教室前のオープンスペースを横切ることになり、落ち着いた環境をつくりづらい。

 今回、そうした教室不足を避けるため、各学年8クラスを想定し、最大48クラスに対応できるように計画した。1学年分で8教室のユニットは通常、6~7教室と1~2つの多目的室、1つのゼミ室からなる。今回、普通教室群および教室と同じ広さの多目的室で学年別ユニットを構成し、必要諸室の変動に対応しやすい校舎を目指した。最終的に、南棟の2・3階それぞれに2つの学年ゾーン、北棟の3階に2つの学年ゾーンと各6学年を分ける格好になる。

 敷地形状を生かし、LVL(単板積層材)で構成した大規模校舎や体育施設を南側に収め、グラウンドを北側に配置した。道路を挟んで北側に22年度に開校予定の中学校(設計は日本設計)と共に、「おおぐろ地区の学びの路」を形成するイメージを描いている。

北側から全景を見る。北東に位置する農地が秋から冬にかけて日光を欲するため、体育館棟(写真手前)に関しては軒の高さを抑えた建物としている(写真:安川千秋)
北側から全景を見る。北東に位置する農地が秋から冬にかけて日光を欲するため、体育館棟(写真手前)に関しては軒の高さを抑えた建物としている(写真:安川千秋)
[画像のクリックで拡大表示]
教室棟(北棟)を北側から見る。軒下やバルコニー下面、外装材などは木質の素材で仕上げ、木の表情を感じることができる外観とした(写真:安川千秋)
教室棟(北棟)を北側から見る。軒下やバルコニー下面、外装材などは木質の素材で仕上げ、木の表情を感じることができる外観とした(写真:安川千秋)
[画像のクリックで拡大表示]
配置図
配置図
[画像のクリックで拡大表示]
3階平面図 ※学年別に同様のユニット構成としている
3階平面図 ※学年別に同様のユニット構成としている
[画像のクリックで拡大表示]
2階平面図
2階平面図
[画像のクリックで拡大表示]
1階平面図
1階平面図
[画像のクリックで拡大表示]
地下1階平面図
地下1階平面図
[画像のクリックで拡大表示]
各所のサインは木の単層積層材の風合いを生かしたものとしている。流山に関連する色使いや教科に関連するピクト、現場での遺跡発掘時に発見された遺跡の実物展示などを行うことで、児童の興味を引き出すものとしている(写真:安川千秋)
各所のサインは木の単層積層材の風合いを生かしたものとしている。流山に関連する色使いや教科に関連するピクト、現場での遺跡発掘時に発見された遺跡の実物展示などを行うことで、児童の興味を引き出すものとしている(写真:安川千秋)
[画像のクリックで拡大表示]