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 このところスーパーカー界の話題を独占しているのは、イタリアLamborghini(ランボルギーニ)だ。ただそれはどちらかというと“これまで通りの熱狂”をファンに提供するものであって、次世代をバラ色に演出するようなものではなかった。

スーパーカーも電動化の波にはあらがえない(出所:Lamborghini)
スーパーカーも電動化の波にはあらがえない(出所:Lamborghini)
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 2021年7月には「アヴェンタドールLP780-4ウルティメ」を発表した。世界限定600台(クーペ350台、ロードスター250台)。あっという間に完売となった背景には、これがアヴェンタドールの最終形であるばかりか、ピュアな自然吸気V12エンジンをミッドに積んだ最後のサンタガータ・ボロニェーゼ(ランボルギーニの本拠地)製ロードカーになるという触れ込みだったからだ。

アヴェンタドールLP780-4ウルティメ
アヴェンタドールLP780-4ウルティメ
(出所:Lamborghini)
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 同年8月には、あの「カウンタック」の名前を復活させてクルマ好きをさらに驚かせる。こちらもまた世界112台の限定車で、3億円以上の価格だというのにすでに完売御礼。正式車名を「カウンタックLPI800-4」というが、Iはイブリッド、つまりハイブリッドのイタリア語を意味し、同じく限定車(クーペ63台、ロードスター19台)だった「シアンFKP37」のパワートレーンに小改良を施して搭載する。

カウンタックLPI800-4
カウンタックLPI800-4
(出所:Lamborghini)
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1988年発売のカウンタック25thアニバーサリーモデル
1988年発売のカウンタック25thアニバーサリーモデル
(出所:Lamborghini)
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 ハイブリッド車(HEV)とはいうものの電池を使わず容量の大きいスーパーキャパシター(電気二重層コンデンサー)でモーターを駆動するというもの。48Vシステムを用いたマイルド(簡易)HEVだ。

 これら2台の登場に、従来のスーパーカーファンは狂喜乱舞したことだろう。一方で、昨今の本格的なプラグインハイブリッド車(PHEV)スーパースポーツや電気自動車(EV)ハイパーカーのニュースに目を輝かせた人にとっては、さほど未来を感じさせなかったという点でもの足りなかったに違いない。

 けれどもランボルギーニはこの2台の発表に先立ち、未来に向けた重要なメッセージを世界に発している。同時に“帰ってきたCEO(最高経営責任者)”ステファン・ヴィンケルマン氏が世界のメディアと個別のオンラインインタビューに応じ、近未来戦略についてアウトラインを語っていたのだ。

 ちなみにヴィンケルマンCEOは、現時点ではまだフランスBugatti Automobiles(ブガッティ)のCEOを兼務している。つい先日、ブガッティとクロアチアの新興EVメーカーRimac Automobili(リマック・アウトモビリ)との協業が発表されたばかり。ドイツVolkswagen(VW)と同Porsche(ポルシェ)が深く関わったこの売却・再編劇が認められれば、ヴィンケルマン氏はランボルギーニのCEOに専念することになりそうだ。このあたりはタイミング的にきな臭い話だけれども、別の物語が必要だろう。また近いうちに。

ステファン・ヴィンケルマンCEO
ステファン・ヴィンケルマンCEO
(出所:Lamborghini)
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