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 三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「DI(デジタルイノベーション)」「DG(デジタルグローバリゼーション)」という3つの「D」でデジタル改革を進めている。今回取り上げるDGは、世界5拠点で海外スタートアップを発掘したり、国内で開発したAI(人工知能)を海外市場に展開したりする取り組みだ。

世界5拠点が異なる役割

 MS&ADグループの2021年3月期における海外事業の正味収入保険料は8311億円で、全社の正味収入保険料の23.7%を占めた。海外事業のセグメント損益は71億円の損失だった。同社はグループ利益の50%以上を海外事業で獲得する経営目標を掲げる。そのために海外スタートアップの買収やデジタル施策の海外展開などを急ぐ。

 三井住友海上は海外施策の拠点として、東京、米シリコンバレー、シンガポール、英ロンドン、イスラエルの世界5カ所にデジタル拠点「グローバルデジタルハブ(GDH)」を整備した。

三井住友海上火災保険が世界5カ所に展開する「グローバルデジタルハブ」
三井住友海上火災保険が世界5カ所に展開する「グローバルデジタルハブ」
(出所:三井住友海上火災保険)
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 各拠点は異なる役割を担う。シリコンバレーのGDHはスタートアップの発掘や投資がメインだ。例えばMS&ADグループのコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)が、保険とテクノロジーを組み合わせた「インシュアテック」企業である米ヒッポへ2020年7月に出資した。IoT(インターネット・オブ・シングズ)端末を配布し、家屋のデータを収集して水漏れ検知をするなど、事故予防に役立つ技術を持つ。ヒッポには三井住友海上も2020年11月に360億円を出資した。CVCは他にも自然災害リスクをAIで分析する技術を持つ米ジュピターインテリジェンスなどに出資する。