損害保険は人々や企業が抱えるリスクに備える存在だが、その損害保険事業そのものが現在、リスクにさらされている。自然災害の激甚化による保険金支払い増加や自動車市場の構造変化などに伴う保険料収入減少といった事業リスクに、損保会社はどう備えるのか。三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスが進める、3つのD(デジタル)戦略をひもとく。

特集
MS&AD「3つのD」、損保のリスクにデジタルで備える
目次
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世界5拠点でスタートアップ発掘やAI世界展開、MS&ADの海外デジタル戦略
MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「DI(デジタルイノベーション)」「DG(デジタルグローバリゼーション)」という3つの「D」でデジタル改革を進めている。今回取り上げるDGでは、世界5拠点で海外スタートアップを発掘したり、国内で開発し…
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「ポスト自動車保険」を探せ、MS&ADがデジタル新規事業に挑む理由
三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスが「DI(デジタルイノベーション)」で目指すのは、市場縮小の危機が迫っている自動車保険の減収を補う、新規事業の開拓だ。
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新入社員の集合研修はVRに移行、MS&ADのDXはここまでやる
三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスは、「DX」「DI」「DG」という3つの「D」でデジタル改革を進めている。同社はDXを「既存損保事業の業務変革」と位置付けるが、変革の対象は通常業務だけでない。新人研修すらもデジタル技術…
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損保の既存業務をAIで一新、MS&ADが進めるDXの姿
三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスは、「DX」「DI」「DG」という3つの「D」でデジタル改革を進めている。同社はDXを「既存損保事業の業務変革」と位置付け、AI(人工知能)やドローンといった最新技術を積極的に導入してい…
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基幹系システム共通化やAI導入を急ぐMS&AD、その裏にある危機感とは
三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスが、基幹系システムのグループ共通化や重要業務へのAI(人工知能)導入を急ピッチで進めている。その背景には損害保険事業の先行きに対する危機感がある。