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 新型コロナウイルスの感染拡大で、若手技術者の教育に頭を悩ませている建設会社は多い。ウエブ会議システムを活用した座学講義などリモート教育だけでは、若手に必要なコミュニケーション能力を十分に養えない。「リアル」な活動を通じて、若手の対人関係の改善を図る動きが出てきた。

 清水建設執行役員土木技術本部長の樋口義弘氏は、2020年4月に入社した社員同士の関係がコロナ禍で希薄になっていることを知り、その状況を憂慮。同社土木教育委員会の委員長も務める立場から、新入社員の「横のつながり」を築くため、20年9月から21年3月にかけて、同本部所属の20人余りの新入社員を対象に橋梁の設計コンテストを実施した。

清水建設執行役員土木技術本部長の樋口義弘氏。1959年生まれ。84年4月に清水建設に入社、土木本部土木開発部に配属。2011年4月に土木技術本部バックエンド技術部長、16年4月に土木技術本部副本部長、19年4月から現職。20年4月に土木教育委員長に就任。手前の模型は、20年9月~21年3月に実施した設計コンテストで「2班」の新入社員が3Dプリンターで製作した。耐荷力とプレゼンテーション内容で高い評価を得た(写真:日経クロステック)
清水建設執行役員土木技術本部長の樋口義弘氏。1959年生まれ。84年4月に清水建設に入社、土木本部土木開発部に配属。2011年4月に土木技術本部バックエンド技術部長、16年4月に土木技術本部副本部長、19年4月から現職。20年4月に土木教育委員長に就任。手前の模型は、20年9月~21年3月に実施した設計コンテストで「2班」の新入社員が3Dプリンターで製作した。耐荷力とプレゼンテーション内容で高い評価を得た(写真:日経クロステック)
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 設計コンテストでは、設計部や基盤技術部などに属する新入社員5~6人と、入社10年目程度のチューター1人から成る4つの班が、3次元(3D)CADで設計して図面を作製。3Dプリンターで模型を製作し、その耐荷力を競った。

 各班のメンバーは通常業務の傍ら、週1回ほどオンラインなどで打ち合わせを実施。設計や解析、作図など役割を分担し、作業を進めた。新入社員のリーダーを中心に、設計方法や構造力学、3DCADの操作方法などを学び、成果発表会までの工程も管理した。

 各班のチューターは、新入社員の活動にできるだけ口を挟まず、班内で意見の対立が起こった場合などの調整役に徹した。設計では、新入社員が考案した橋梁の実現可能性よりも、既存の概念にとらわれない自由な発想を重視した。

設計コンテストの与条件。新入社員とチューターから成る4つの班がこの条件下で橋梁を設計し、その耐荷力を競った。3Dプリンターによる模型の製作には1班当たり約10万円を投じた(資料:清水建設)
設計コンテストの与条件。新入社員とチューターから成る4つの班がこの条件下で橋梁を設計し、その耐荷力を競った。3Dプリンターによる模型の製作には1班当たり約10万円を投じた(資料:清水建設)
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「1班」と「2班」の設計内容(資料:清水建設)
「1班」と「2班」の設計内容(資料:清水建設)
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「3班」と「4班」の設計内容(資料:清水建設)
「3班」と「4班」の設計内容(資料:清水建設)
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