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 Microsoft Azureが、オンプレミス(自社所有)環境にあるWindowsシステムの巻き取りに力を入れてきた。従来のライセンス特典に加え、「Windowsシステムを動かす最適なクラウド」という強みを前面に押し出し、企業システムの移行を促進したい考えだ。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 最近、オンプレミス環境からMicrosoft Azureへ移行した1社が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券だ。EoS(End of Service)に伴うリスク管理システムの移行先としてAzureを選んだ。三菱UFJフィナンシャル・グループがAWS(Amazon Web Services)への移行を表明した「三菱ショック」がベースにあるにもかかわらずだ。

 日本マイクロソフトの岡本剛和Azureビジネス本部プロダクトマーケティング部エグゼクティブプロダクトマネージャーは、Azureが選択された理由の1つとして、「Azureハイブリッド特典」の存在を挙げる。オンプレミス環境にあるWindows ServerやSQL ServerのライセンスをAzureで利用可能にするもので、標準の従量課金制料金と比較して最大85%のコスト削減につながる。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券はシステム全体の7割程度をWindows Serverベースで作っているという。このようなWindows比率の高いユーザーにとって、Azureは移行先として魅力的に映るだろう。岡本マネージャーは「証券会社などWindowsシステムが多い企業のマイグレーションを推進していきたい」と話す。

 「Azureに最適化したWindowsを模索している」。日本マイクロソフトの佐藤壮一Azureビジネス本部マーケットデベロップメント部プロダクトマネージャー/Azure SMEは、「Azure向けWindows」の提供を通じ、Windowsユーザーを引き付ける動きをこう説明する。Windows Server 2019版では、OSのパッチ適用に当たって再起動が不要な「ホットパッチ」機能を実現。最新の「Windows Server 2022 Azure Edition」は、2021年6月にパブリックベータの扱いになった。

 Azureへの移行が進み、仮想マシンが100台、200台と増えてくると、その管理が煩雑になってくる。そうした環境に向けて、「IaaSをマネージドサービスライクに使えるようする」(佐藤マネージャー)のが「Azure Automanage」である。「Azure Backup」「Azure Monitor」「Azure Policy」「Update Management」といった管理ツールに、仮想マシンに対する推奨値を自動設定して管理負荷の軽減を図る。

 米Microsoft(マイクロソフト)のクラウド戦略において、OS(Windows)、ハイパーバイザー(Hyper-V)、クラウド(Azure)の3つを持っている点は、AWSやGoogle Cloudといったライバルに比べたメリットといえる。今後も、これらを組み合わせた新たなソリューションを打ち出し、Windowsユーザーへの訴求を強めていくだろう。