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 「今期の減産計画に変更はない。今後の車載半導体の不足状況に大きな変化がなければ、計画通りに進める」──。日産自動車社長兼最高経営責任者(CEO)の内田誠氏は、2021年7月28日にオンライン開催した21年度第1四半期(21年4~6月)の連結決算会見でこのように述べた(図1)。

内田誠氏
図1 日産自動車社長兼CEOの内田誠氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 半導体不足の影響について日産は当初(21年5月時点、以下同じ)、21年度上期(21年4~9月)にグローバルで約50万台の生産調整(減産)を行うが、同下期(21年10月~22年3月)の増産によって約25万台を補い、21年度通期(21年4月~22年3月)の減産台数を約25万台に抑えるとしていた。半導体不足の影響は、下期には解消するとみている。

 実際に半導体不足が続く中で、21年度第1四半期の世界販売台数は、前年同期に比べて大きく増えた。半導体の在庫状況をきめ細かく把握しながら効率的な生産を行ったことで、「半導体不足の影響を最小限に抑えられた」(内田氏)と言う。こうした取り組みを第2四半期以降も続けることで、21年度通期では当初の予定通りに生産する計画である。

 ただ、21年度は半導体不足に加えて、東南アジアにおける新型コロナウイルス変異株(デルタ型)の感染急拡大という事業リスクもある。現地では変異株の感染拡大によって、部品の調達に影響が出ている。この点について、日産最高執行責任者(COO)のアシュワニ・グプタ氏は同日の会見で、「部品の現地調達を基本にしているが、現時点で(変異株感染拡大の)影響は受けていない」とした(図2)。

アシュワニ・グプタ氏
図2 日産自動車COOのアシュワニ・グプタ氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 なお、日産が同日に発表した21年度第1四半期の連結決算によると、世界販売台数は前年同期に比べて62.9%増の104万8000台だった。半導体不足を跳ね返し、すべての地域で販売を増やした(図3)。好調な世界販売や製造・販売コストの削減などによって、営業損益は757億円の黒字を確保した(前年同期は1539億円の赤字)。

日産自動車の世界販売台数
図3 日産自動車の世界販売台数(21年度第1四半期)
(出所:日産自動車)
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 半導体不足や東南アジアにおける変異株の拡大、原材料価格の上昇といったリスクはあるが、21年度通期の業績は当初の計画を上方修正した。当初の計画では営業利益をゼロとしていたが、修正後の計画では1500億円の黒字を見込む()。

21年度通期の世界販売計画と業績見通し
表 21年度通期の世界販売計画と業績見通し
(出所:日産自動車)
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