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 トヨタ自動車は2021年8月4日、21年度第1四半期(21年4~6月)の連結決算を発表した。世界販売台数(以下、連結販売台数)は新型コロナウイルスの感染が拡大する前(19年度第1四半期、以下同じ)の水準に戻り、営業利益はコロナ前の実績を大きく上回った。効率的な生産・販売などによって、車載半導体不足の影響を跳ね返した。

 21年度第1四半期の連結販売台数は、前年同期に比べて85.4%増の214万8000台だった。日本や北米、欧州などすべての地域で販売を増やした。コロナ前の連結販売台数は231万8000台であり、21年度第1四半期の販売台数はコロナ前の水準に戻った(図1)。

トヨタの連結販売台数(21年度第1四半期)
図1 トヨタの連結販売台数(21年度第1四半期)
(出所:トヨタ自動車)
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 トヨタは半導体不足による大規模な減産を回避するため、半導体の調達状況に応じて、世界各地の一部工場で短期間の操業停止を行った。販売面では、例えば米国でパイプライン全体や他の販売店から車両を調達した。

 パイプライン全体からの調達とは、工場を出荷してから販売店に届くまでの流通段階にある車両を販売すること、他の販売店からの調達とは販売店全体で各店舗の在庫を融通しあうことである。こうした対策によって、各販売店の店頭在庫を減らしながら、販売の機会損失を最小限に抑えた(図2)。

米国における販売面の対策
図2 米国における販売面の対策
(出所:トヨタ自動車)
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 連結販売台数の回復などによって、21年第1四半期の業績はコロナ前の実績を大きく上回った。営業利益は9974億円となり、前年同期の139億円から急拡大した。コロナ前の実績と比べても、34.6%の増加である。21年第1四半期の売上高営業利益率は12.6%に達した。

 半導体不足や東南アジアにおける新型コロナ変異株(デルタ型)の感染急拡大といった予断を許さない状況にあるが、21年度通期(21年4月~22年3月)の連結販売台数と業績については、当初計画(21年5月発表)を据え置いた。連結販売台数は870万台であり、コロナ前の水準に戻す計画である(図3)。営業利益は、コロナ前を上回る2兆5000億円を見込む。

トヨタの連結販売計画(21年度通期)
図3 トヨタの連結販売計画(21年度通期)
(出所:トヨタ自動車)
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