全923文字
PR

 スズキは車載半導体不足の影響で、21年度通期(21年4月~22年3月)の四輪車の世界生産計画を下方修正した。期初の計画に比べて約35万台の減産を見込む。日本で約25万台、インドなどの海外で約10万台の減産になるという。

 電話会議システムを用いて21年8月5日に開いた21年度第1四半期(21年4~6月)の連結決算会見で、スズキ取締役専務役員の長尾正彦氏は、「当社の半導体不足の影響は、21年度末まで続くとみている。当面は、半導体をできるだけ多く確保できるように全力を挙げるしかない」と述べた(図1)。

長尾正彦氏
図1 スズキ取締役専務役員の長尾正彦氏
(出所:スズキ)
[画像のクリックで拡大表示]

 半導体不足の解消に向けて同社は今後、取引のあるティア1サプライヤーに対して、数カ月分の在庫を持ってもらうようにする。また、サプライヤーと長期契約を行い、いったん契約した量はできるだけ減らさないようにする。

 何らかの事情で契約量を減らす場合は、全量をスズキが引き取る。こうした取り組みによって、「長期的な安定調達を目指す」(長尾氏)と述べた。また、ティア1以下のサプライヤーを含むサプライチェーンを可視化するシステムも稼働させる計画だ。

21年度の通期計画をようやく発表

 スズキが同日に発表した21年度通期の業績見通しによると、同期の世界販売台数(四輪車、以下同じ)は前年度比で5.4%増の271万1000台を計画する。期初の計画に比べてグローバルで約35万台の減産を予定するが、日本を除くアジアや欧州などで販売拡大を目指す(図2)。21年度通期の営業利益については、同12.4%減の1700億円を見込む。長尾氏は、「原材料価格の上昇や、電動化を中心とする研究開発費の増加などが減益要因になる」とした。

スズキの生産・販売計画(21年度通期)
図2 スズキの生産・販売計画(21年度通期)
(出所:スズキ)
[画像のクリックで拡大表示]

 また、同日に発表した21年度第1四半期の連結決算によると、世界販売台数と営業利益はコロナ禍前(19年度第1四半期)の水準に届かなかった。21年度第1四半期の世界販売台数は前年同期比で36.8%増の62万4000台。新型コロナ禍の反動でインドや日本、欧州などで販売を増やしたが、コロナ禍前の実績比では15.5%の減少である(図3)。営業利益は545億円となり、前年同期の13億円から大きく改善したが、コロナ禍前に比べると13.1%の減少だった。

スズキの生産・販売実績(21年度第1四半期)
図3 スズキの生産・販売実績(21年度第1四半期)
(出所:スズキ)
[画像のクリックで拡大表示]