筆者は自分が所有している書籍やコミックスなどのほとんどをドキュメントスキャナーでパソコンに取り込んでPDFファイルに変換した。紙の本をいわゆる「自炊」で電子書籍化したのである。
当初は「iPad mini」で読むことを想定していたが、今は「Kindle Paperwhite(2018年モデル)」をメインで使っている。iPad miniよりも軽いことに加え、防水なので浴室でも読めるからだ。しかしKindleで快適に読書できるまでには様々な試行錯誤があった。
試行錯誤の末にたどり着いた「自炊した電子書籍をKindleで快適に読む方法」を紹介する。なお、本記事の写真やスクリーンショットに写っている書籍やコミックスを模したページは筆者が自作したサンプルであることを付け加えておく。
KindleはPDFファイルを直接開けるが…
筆者が所有するKindle Paperwhite(以下Kindle)は、「E Ink(電子ペーパー)」と呼ばれる仕組みのディスプレーを搭載したモデル。モノクロ(16階調グレー)だが通常の液晶ディスプレーと比較して紙の印刷物に近い表示が特徴だ。
きょう体は文庫本をひと回り大きくしたようなサイズで、厚さは約8mm。重さはWi-Fiモデルが182g、Wi-Fi+4Gモデルが191gと非常に軽い。片手で楽に持つことができ、寝転んで読書してもまったく苦にならない。
実はKindleにはPDFファイルを表示する機能が標準搭載されている。自炊してPDF化した電子書籍を読む用途にもよいのではないかと考えて購入した。
Kindleを付属のケーブルでパソコンに接続すると、外部ストレージとして認識される。ルート直下にある「Documents」フォルダーにPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで転送は完了する。
パソコンとの接続を解除してKindleを開くと、Kindleストアで購入した電子書籍のリストの中にPDFファイルも同じように並び、タップすると表示できる。
手軽なのは良いのだが、ページが全体的に小さく表示されて、文字が非常に読みにくい。紙の本のページを丸ごと取り込んでいるので文章の周囲に余白があるのは仕方がないとして、その周囲にさらに余白が追加されている。
何度か試したが周囲の余白はKindleに固有のもので、PDFファイルを表示する際にはどうしてできてしまうようだ。