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 SIM内蔵電球を設置してから約3カ月、彼女がトイレの電気をつけると、こちらで安否が分かる仕組みが粛々と動いている。ただ、メールやメッセージがプッシュで飛んでくるのではなく、パソコンやiPhoneでこちらから専用のサイトにアクセスして、点灯の有無を確認するスタイルだ。プッシュ型のほうが便利な気もするが、今では朝起きたときと夜寝る前にチェックするのが日課になっており支障はない。

毎朝、専用のサイトにアクセスすると、電球が点灯した時間が表示される。実家のトイレは比較的明るく、点灯の必要がない場合もあるのだが、朝起きたら必ずつけるように言い聞かせてある
毎朝、専用のサイトにアクセスすると、電球が点灯した時間が表示される。実家のトイレは比較的明るく、点灯の必要がない場合もあるのだが、朝起きたら必ずつけるように言い聞かせてある
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営業時間内であれば、ヤマト運輸のスタッフがこちらの依頼に応じて代理訪問してくれる(同社サイトより引用)
営業時間内であれば、ヤマト運輸のスタッフがこちらの依頼に応じて代理訪問してくれる(同社サイトより引用)
(出所:ヤマト運輸)
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 現状は思考もしっかりしており、健常者に近い身体の動きが可能な状態ではあるが、この先カラダの各パーツが弱ってきたら、今回のSIM内蔵電球のような簡便な安否確認でよいのか、という思いはある。

 先日NHKで偶然見た事例では、見守りカメラ、冷暖房の遠隔操作、スマートスピーカーによる音声指示などの機能を備えた見守りシステムを自作している人が紹介されていた。心身の状況を鑑みながら、それ相応の多機能・高性能な見守りシステムを構築することが必要になってくるのだろうか。

 試しに先日、見守りカメラを設置していいかと問うたら、「親子といえどもプライバシーを尊重してほしい」と即決却下だった。確かに息子といえども、「他人」に生活をのぞかれている状態が気持ちのよいものではないのは確かだ。

 彼女が現在の身体能力を有しているうちは、現状の見守りシステムの運用を続けるとしよう。毎朝、点灯時間を記した文字を確認するだけの無機質なつながりではあるが、それでも「プチ安心感」をもたらしてくれるのはありがたい。

山崎 潤一郎(やまさき じゅんいちろう)
ITジャーナリスト
音楽制作業を営む傍らIT分野のジャーナリストとしても活動。音楽制作業では、クラシック音楽やワールドミュージックといったジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。ITジャーナリストとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから著書多数。鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」などの開発者であると同時に演奏者でもあり、楽器アプリ奏者としてテレビ出演の経験もある。音楽趣味はプログレ。