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 例えば雑誌に掲載される前の段階で作成される誌面や完成したWeb原稿を確認するときは、印刷して赤ペンでチェックしていく(赤入れ)。紙を使わず、iPadやAndroid/Windows 10のタブレットに誌面データを表示し、タッチペンで赤入れしたこともある。

 しかし、これまで試したデバイスでは、ペン先と画面表示の位置が多少なりともずれてしまっていた。これに筆者はどうしてもなじめなかった。またそうしたタブレットデバイスのディスプレーは、基本的に光沢仕上げになっている。タッチペンのペン先がつるつると滑ってしまい、指定線を引くにも訂正の文字を書くにもストレスを感じていた。

「赤入れ」は、作成した原稿のミスや適切でないデザインを修正する重要な作業だ
「赤入れ」は、作成した原稿のミスや適切でないデザインを修正する重要な作業だ
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散々試したが納得できなかったペン+タブレット

 修正する文字は小さく書き込むことが多いのだが、書き込んだPDFや画像を見ると、文字を構成する線がギザギザにぶれていて確認しにくいこともあった。デジタルガジェットが大好きな筆者でも、タブレットとタッチペンの組み合わせでは「紙に打ち出して赤入れ」という作業を代替することは難しいと結論せざるを得なかった。

 過去には本当にいろいろなモデルで試した。手元にある一番古いPCだとレノボ・ジャパンの「ThinkPad X201 Tablet」がその一つだ。何とか使えたな、と言う記憶があるのが米マイクロソフト(Microsoft)の「Surface Pro 4」。台湾ASUSTeK Computer(エイスーステック・コンピューター)の「ZenPad S 8.0」と専用スタイラスペンも使った。これは借りて試しただけだが「iPad Air」と第1世代の「Apple Pencil」は、なかなか感触が良かった。

 一番新しいモデルはレノボ・ジャパンの「Yoga C740(14)」。これは現役で、デザイン指定や修正などで利用中だ。基本的に新しいモデルほど不満は減る。それでも筆者の感覚では、紙と同等に文字を修正できるレベルではなかった。仕事で借りたPCを含めれば、このほかにも本当にたくさんのモデルを試した上で、やはりデジタルで赤入れは無理と結論せざるを得なかったのだ。

 そうした経緯があるため、今回のクアデルノには大きな期待を持っていた。編集作業の中で最も重要でデジタル化が難しかったフローをデジタルに移行できれば、編集作業はフルデジタルになる。紙やプリンターの利用頻度が激減するし、出張や旅行の間に紙面や原稿の確認をしなければならなくなっても、印刷やスキャンに対応するネットカフェを探し回る必要がなくなる。

サイズの割には軽く扱いやすい

 パッケージには、本体とスタイラスペン(クアデルノではこう呼ぶ)、PCとの接続や本体の充電で利用するUSBケーブルが入っている。今回はこのほか、筆記具ブランドの「LAMY」とコラボレーションしたスタイラスペンも借りて試用した。